スマートフォン版を表示

J-REIT市況月次レポート 2014年5月

1.REIT全体市況

5月の東証REIT指数(配当なし)は、前月比+69ポイントの上昇。月初はウクライナ情勢や円高進行に伴う株式相場下落を受け、東証REIT指数も下落して始まったが、中旬は株式相場の下落とは対照的に、6営業日上昇。これにより2013年9月から安定推移していた1,400~1,500ポイントのレンジを一段超え、一年ぶりの高値を付けた。更に長期金利の低下を背景に月末に掛けて続伸し、30日終値は1,565.02で終了した。投資口価格の上昇、相次ぐ公募増資により、REIT全体の時価総額は初めて8兆円に達した。東証が発表する投資家売買動向によれば、5月は5ヶ月ぶりに外国人投資家が大幅買い越した。円高を背景に海外資金の流入が東証REIT指数の上昇に繋がったとみられる。一方、投資口価格の上昇に伴い、月末の平均分配金利回りは3.54%と一年ぶりの低水準となった。長期金利の低下により利回り差は維持されているものの、急速な低下は投資口価格の上昇のブレーキとなるだろう。但し、オフィスビル市況によれば、東京ビジネス地区の空室率低下に加え、賃料上昇の兆しも出ている点から見て、投資口価格の下落リスクは限定的と言える。
個別銘柄の動向では、ケネディクス・オフィス投資法人(8972)、阪急リート投資法人(8977)、ユナイテッド・アーバン投資法人(8960)が公募増資を発表した。投資口価格が安定し資金調達環境が明るいなか、機動的な運用にシフトする。またインヴィンシブル投資法人が保有していたシニア住宅全7棟を売却し、ビジネスホテル2棟を取得した。これに伴いシニア住宅の売却益984百万円により66%増益を見込む。シニア住宅の需要が高まる中、簿価に対し23%の売却益を獲得し、代わりにスポンサー経由で変動賃料制のビジネスホテルを取得することで、資産規模は変わらないもののポートフォリオ入替えに成功した事例と言える。
決算動向を見ると、ジャパンリアルエステイト投資法人の分配金に底入れの兆しが見えてきた。既存物件の賃料減少に歯止めが掛かる一方、新規取得物件の収益が寄与する点から、2015年上期には分配金が上向く予想を示した。今後オフィスビル系銘柄において物件売却益に頼らない巡航分配金水準の増加傾向が本格的に続くかが注視されよう。

 

<市況データ>

 

2014年5月末現在

(前月末比)

東証REIT指数(配当なし)

1,565.02

+69.00

東証REIT指数(配当込み)

2,645.27

+124.46

時価総額合計

8兆2,212億円

+3,939億円

平均分配金利回り(時価総額による加重平均)

3.54%

-0.15%

<東証REIT指数と予想分配金利回りの推移>  (グラフは2012年6月~2014年5月の24ヶ月間) 

2.個別銘柄データ

2014年5月末現在

証券
コード

投資法人名

投資口価格
(円)

騰落率
(1ヶ月)

予想配当
利回り

時価総額
(百万円)

時価総額シェア

 

 

 

8951

日本ビルファンド投資法人

596,000

5.3%

2.60%

841,552

10.2%

8952

ジャパンリアルエステイト投資法人

595,000

10.0%

2.56%

744,660

9.1%

8953

日本リテールファンド投資法人

223,900

9.0%

3.69%

516,806

6.3%

8954

オリックス不動産投資法人

135,900

4.5%

3.68%

267,203

3.3%

8955

日本プライムリアルティ投資法人

365,500

1.7%

3.31%

301,538

3.7%

8956

プレミア投資法人

397,000

0.6%

4.69%

86,824

1.1%

8957

東急リアル・エステート投資法人

138,900

6.4%

3.60%

135,789

1.7%

8958

グローバル・ワン不動産投資法人

308,000

-3.6%

3.38%

59,690

0.7%

8959

野村不動産オフィスファンド投資法人

474,500

7.4%

4.38%

176,776

2.2%

8960

ユナイテッド・アーバン投資法人

162,900

5.8%

3.44%

387,731

4.7%

8961

森トラスト総合リート投資法人

160,800

5.0%

4.33%

212,256

2.6%

8963

インヴィンシブル投資法人

22,030

23.0%

4.99%

34,657

0.4%

8964

フロンティア不動産投資法人

552,000

4.2%

3.59%

273,792

3.3%

8966

平和不動産リート投資法人

82,800

-0.5%

4.03%

72,984

0.9%

8967

日本ロジスティクスファンド投資法人

227,300

-1.3%

3.28%

188,659

2.3%

8968

福岡リート投資法人

173,600

5.6%

3.72%

119,784

1.5%

8972

ケネディクス・オフィス投資法人

532,000

4.3%

3.69%

188,296

2.3%

8973

積水ハウス・SI レジデンシャル投資法人

99,800

3.4%

4.25%

91,341

1.1%

8975

いちご不動産投資法人

62,800

2.1%

4.87%

64,453

0.8%

8976

大和証券オフィス投資法人

516,000

-1.3%

2.93%

204,232

2.5%

8977

阪急リート投資法人

550,000

0.2%

4.49%

57,860

0.7%

8979

スターツプロシード投資法人

169,800

0.6%

4.72%

24,617

0.3%

8982

トップリート投資法人

469,000

5.7%

4.48%

82,544

1.0%

8984

大和ハウス・レジデンシャル投資法人

445,000

5.1%

3.82%

166,372

2.0%

8985

ジャパン・ホテル・リート投資法人

47,450

0.9%

4.09%

124,380

1.5%

8986

日本賃貸住宅投資法人

64,500

2.1%

4.91%

95,141

1.2%

8987

ジャパンエクセレント投資法人

138,500

2.1%

3.54%

167,966

2.0%

3226

日本アコモデーションファンド投資法人

371,000

3.1%

3.94%

171,188

2.1%

3227

MIDリート投資法人

232,800

0.7%

5.18%

42,748

0.5%

3234

森ヒルズリート投資法人

137,700

1.0%

3.15%

190,704

2.3%

3240

野村不動産レジデンシャル投資法人

570,000

0.9%

4.23%

91,656

1.1%

3249

産業ファンド投資法人

908,000

6.1%

3.60%

150,303

1.8%

3269

アドバンス・レジデンス投資法人

251,200

8.6%

3.58%

326,560

4.0%

3278

ケネディクス・レジデンシャル投資法人

224,500

0.0%

5.08%

54,244

0.7%

3279

アクティビア・プロパティーズ投資法人

854,000

-0.4%

3.63%

214,407

2.6%

3263

大和ハウスリート投資法人

437,000

5.2%

3.66%

128,251

1.6%

3281

GLP投資法人

107,800

6.8%

3.98%

226,132

2.8%

3282

コンフォリア・レジデンシャル投資法人

741,000

2.6%

4.45%

74,591

0.9%

3283

日本プロロジスリート投資法人

222,800

3.1%

3.30%

348,404

4.2%

3285

野村不動産マスターファンド投資法人

116,100

8.7%

4.13%

193,337

2.4%

3287

星野リゾート・リート投資法人

782,000

-3.3%

4.02%

33,602

0.4%

3290

SIA不動産投資法人

389,500

1.7%

6.32%

29,251

0.4%

3292

イオンリート投資法人

127,900

-1.5%

3.82%

121,505

1.5%

3295

ヒューリックリート投資法人

150,000

5.1%

2.98%

97,800

1.2%

3296

日本リート投資法人

254,700

-4.2%

3.03%

38,666

0.5%

予想利回り算出方法:年換算予想分配金(当期予想分配金+次期予想分配金)/投資口価格

但し、 決算期が年1回の銘柄: 年換算予想分配金(当期予想分配金)/投資口価格
※予想分配金が未発表の場合、直近期の予想分配金を使用する 

※実質運用日数が変則期間の場合、年換算に修正する 

※GLP投資法人(3281)、日本プロロジスリート投資法人(3283)は、利益超過分配金を分配金に含めて算出する

バックナンバー

※2013年11月以前のバックナンバー(PDF)はこちら

  • PR

  • PR

決算発表動画
物件取得価格ランキング
1 新宿三井ビルディング 1,700億円
2 飯田橋グラン・ブルーム 1,389億円
3 六本木ヒルズ森タワー 1,154億円
4 汐留ビルディング 1,069億円
5 東京汐留ビルディング 825億円
株価値上り率ランキング
1 投資法人みらい +1.16%
2 トーセイ +0.83%
3 ラサールロジ +0.80%
* 当サイトはJ-REIT(不動産投資信託)の情報提供を目的としており、投資勧誘を目的としておりません。
* 当サイトの情報には万全を期しておりますがその内容を保証するものではなくまた予告なしに内容が変わる(変更・削除)することがあります。
* 当サイトの情報については、利用者の責任の下に行うこととし、当社はこれに係わる一切の責任を負うものではありません。
* 当サイトに記載されている情報の著作権は当社に帰属します。当該情報の無断での使用(転用・複製等)を禁じます。