J-REIT市況月次レポート

J-REIT市況月次レポート　2014年1月

2014/2/14

１．　REIT全体市況

1月の東証REIT指数（配当なし）は、前月比-17.55ポイントの下落。昨年末に1,515.01と5月以来の高値を付けた反動や、米国株安に伴う影響から、年初より4営業日連続下落して始まった。しかし月後半は、米国の金融緩和縮小観測に伴う新興国の通貨安から株式相場が軒並み下落するなか、東証REIT指数は長期金利の低下や日銀の買入れを下支えに1,500ポイント前後で比較的安定的に推移。TOPIXの一ヶ月の騰落率が-6.27%に対し、東証REIT指数は-1.20%と下落率は限定的なものに収まった。1月における日銀の買入れは計21億円。2014年に入り年間300億円の買入れ枠が追加されたことから買入れが再開。新興国不安が高まった月末に掛けて買入れが集中している点から、今後も下落局面における下支えとしての役割が期待できよう。
個別銘柄の動向は、ヒューリックリート投資法人（3295）が2月7日に上場することを発表した。東京23区のオフィスビル、都市型商業施設を主要対象として収益安定基盤を作りながら、将来的に需要が期待できるセクター（有料老人ホームやネットワークセンター）へ分散投資する方針。スポンサーのヒューリックは、これまで他社REITのウェアハウジング（一時保有）として機能を発揮してきたが、自社でREITを運営することにより、自社開発の物件を売却する等の自由度が高められる。
既存銘柄では、ジャパンエクセレント投資法人、アドバンス・レジデンス投資法人、コンフォリア・レジデンシャル投資法人、産業ファンド投資法人が公募増資を発表。コンフォリア・レジデンシャル投資法人は投資口数が49.7%増となる大型増資で230億円（予定）を調達し、資産規模が745億円から1,119億円へ50%増加する。REITの投資口環境が安定しており、また年度末に掛けて企業のオフバランスニーズが高まることが想定されることから、当面外部成長に懸念は少ない。一方、オフィスビルの賃貸市況を見ると、好調な企業業績を背景に改善傾向にあるが、賃料水準の回復には至っておらず、内部成長による収益増加は未だ時間を要すると見られる。

＜市況データ＞

	2014年1月現在	（前月比）
東証REIT指数（配当なし）	1,497.46	-17.55
東証REIT指数（配当込み）	2,500.79	-23.60
時価総額合計	7兆5,393億円	-751億円
平均分配金利回り（時価総額による加重平均）	3.68%	+0.04%

＜東証REIT指数と分配金利回りの推移＞　（グラフは2013年2月～2014年1月の12ヶ月間）

2.　個別銘柄データ

2014年1月末現在
証券コード	投資法人名	投資口価格（円）	騰落率（1ヶ月）	予想分配金利回り	時価総額（百万円）
8951	日本ビルファンド投資法人	583,000	-4.7%	2.74%	806,872
8952	ジャパンリアルエステイト投資法人	529,000	-6.2%	2.87%	628,600
8953	日本リテールファンド投資法人	205,700	-4.0%	3.97%	474,796
8954	オリックス不動産投資法人	136,000	3.3%	3.49%	229,499
8955	日本プライムリアルティ投資法人	351,000	4.2%	3.45%	289,575
8956	プレミア投資法人	398,000	-2.2%	4.77%	87,042
8957	東急リアル・エステート投資法人	123,300	-5.0%	4.04%	120,538
8958	グローバル・ワン不動産投資法人	709,000	-0.8%	5.36%	68,702
8959	野村不動産オフィスファンド投資法人	452,500	-7.5%	4.42%	168,580
8960	ユナイテッド・アーバン投資法人	152,900	1.1%	3.60%	363,930
8961	森トラスト総合リート投資法人	831,000	-0.8%	4.16%	219,384
8963	インヴィンシブル投資法人	18,330	-5.7%	5.06%	28,836
8964	フロンティア不動産投資法人	527,000	1.3%	3.64%	261,392
8966	平和不動産リート投資法人	81,800	1.0%	4.08%	72,102
8967	日本ロジスティクスファンド投資法人	227,300	1.9%	3.21%	188,659
8968	福岡リート投資法人	860,000	0.9%	3.74%	118,680
8972	ケネディクス・オフィス投資法人	511,000	2.3%	3.72%	169,928
8973	積水ハウス・ＳＩ投資法人	534,000	4.3%	4.01%	85,229
8975	いちご不動産投資法人	64,400	-0.2%	4.75%	66,095
8976	大和証券オフィス投資法人	487,500	-0.8%	3.10%	192,952
8977	阪急リート投資法人	550,000	0.5%	4.47%	57,860
8979	スターツプロシード投資法人	172,700	-1.9%	4.72%	25,038
8982	トップリート投資法人	468,000	-5.3%	4.48%	82,368
8984	大和ハウス・レジデンシャル投資法人	427,500	1.9%	3.93%	159,829
8985	ジャパン・ホテル・リート投資法人	49,500	-1.8%	3.92%	129,753
8986	日本賃貸住宅投資法人	64,000	-0.8%	4.94%	94,404
8987	ジャパンエクセレント投資法人	122,200	-0.9%	4.01%	147,220
3226	日本アコモデーションファンド投資法人	710,000	0.3%	4.06%	163,805
3227	ＭＩＤリート投資法人	233,900	-0.3%	5.17%	42,950
3234	森ヒルズリート投資法人	135,900	-2.7%	3.05%	188,211
3240	野村不動産レジデンシャル投資法人	534,000	-2.0%	4.51%	85,867
3249	産業ファンド投資法人	846,000	-3.5%	3.86%	132,341
3269	アドバンス・レジデンス投資法人	217,200	-4.3%	4.14%	269,328
3278	ケネディクス・レジデンシャル投資法人	215,200	-5.4%	5.41%	51,997
3279	アクティビア・プロパティーズ投資法人	855,000	3.1%	3.63%	214,658
3263	大和ハウスリート投資法人	861,000	9.0%	3.59%	105,507
3281	ＧＬＰ投資法人	106,300	3.4%	3.98%	222,986
3282	コンフォリア・レジデンシャル投資法人	747,000	0.7%	4.31%	50,319
3283	日本プロロジスリート投資法人	1,035,000	2.9%	3.55%	323,696
3285	野村不動産マスターファンド投資法人	108,200	-0.2%	4.77%	180,181
3287	星野リゾート・リート投資法人	725,000	9.4%	3.64%	14,681
3290	ＳＩＡ不動産投資法人	389,000	-3.1%	4.84%	29,214
3292	イオンリート投資法人	132,300	2.4%	2.45%	125,685

予想利回り算出方法：年換算予想分配金（当期予想分配金＋次期予想分配金）／投資口価格

但し、決算期が年1回の銘柄：　年換算予想分配金（当期予想分配金）／投資口価格
※予想分配金が未発表の場合、直近期の予想分配金を使用する

※実質運用日数が変則期間の場合、年換算に修正する

※GLP投資法人（3281）、日本プロロジスリート投資法人（3283）は、利益超過分配金を分配金に含めて算出する

バックナンバー

※2013年11月以前のバックナンバー（PDF）はこちら

1	新宿三井ビルディング	1,700億円
2	飯田橋グラン・ブルーム	1,389億円
3	六本木ヒルズ森タワー	1,154億円
4	汐留ビルディング	1,069億円
5	東京汐留ビルディング	825億円

1,700億円

1,389億円

1,154億円

1,069億円

825億円

1	ジャパンリアル	+3.47%
2	日本プロロジス	+2.98%
3	オリックス不動産	+1.70%

ジャパンリアル

+3.47%

日本プロロジス

+2.98%

オリックス不動産

+1.70%

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