<ハイライト>
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<調査目的及び手法>
J-REIT(不動産投資信託)は、市場創設から18年が経過しました。2019年9月現在、63銘柄が上場、市場全体の時価総額は16兆円を超えました。
リーマンショック後一時低迷しましたが、合併やスポンサー交代等の再編を経て実績を重ね、REITは不動産を保有・運用する主体として不動産市場を牽引する存在に成長しました。堅調なオフィス需要に加え、ネット通販拡大による物流施設や、東京オリンピックを控えホテル市場が急成長し、REITを構成する主要な用途になっています。
投資家から見ると、不動産の賃貸事業に特化し安定した収益を裏付けに高い分配金利回りを持つREITは、金融資産の一つとして認知が高まっています。
このような市場環境のなか、J-REITポータルサイト「JAPAN-REIT.COM」は、個人投資家がJ-REITの商品性及び投資環境の変化をどう捉えているのか、その実態把握と今後の市場動向予測、またJ-REIT市場の更なる拡大を目的とし、個人投資家を対象にアンケートを実施致しました。
<アンケート結果>
1. 回答者の属性 (n=649)
回答者は、男性が94%を占める。女性の割合は6%と未だ少数であるが、昨年の4%より微増。
年齢層も例年と変わらず、40代~70代で全体の8割を占め、個人投資家の主要層となっている。但し、例年60代~70代の高齢層が増加傾向であったが、今回は60代が低下する一方、30代が上昇した。年代層に平準化の傾向が見られる。
J-REIT個別銘柄への投資経験は、昨年と同様に95%と高い割合を維持する。
<性別> |
<年齢> |
<年収> |
<J-REIT投資経験> |
2. J-REITのしくみを理解している?各銘柄の特徴を理解している?(n=649)
回答者の95%がREITの仕組みを理解、91%が銘柄の特徴を理解と、REITへの理解度は年々高まっており、REIT市場の成長や実績とともに個人投資家への普及も高くなっている。
<J-REITの仕組みを理解している?> |
<銘柄の特徴を理解している?> |
3. J-REIT投資を始めた理由は?(n=投資経験あり618、延べ回答数3,258)
REIT投資を始めた理由として、回答者の86%が「分配金利回りの高さ」を挙げ、次に「分配金利回りの安定」がランクしている点から、高く安定した分配金が得られるインカムゲイン投資の対象と位置付け、投資を始めたことが分かる。
また「少額で不動産投資」できる点も、例年同様に高く評価され、投資対象が不動産であること、換金性・流動性が高いことも、REITの特性として捉えられている。
「決算期が分散」が、昨年よりランクアップした。REIT銘柄数が63に増え、分配金を分散して得られる特性が、個人投資家に支持されている。
4. 銘柄選択の基準は?重要視することは?(n=投資経験あり618、延回答数2,989)
銘柄選択の基準に、回答者の88%が「分配金利回り」を挙げ、REITの投資指標の最も代表的なものとして確立されている。
2番目に、例年同様「スポンサー」がランクしており、銘柄選択基準として重視されていることが分かる。
また分配金の「安定」が「成長」を上回り、投資口価格も「安定」が「成長」を僅かに上回った。投資家は成長性よりも安定性を重視する傾向が強い。
5. 現在のJ-REIT投資額は?金融資産全体に占める割合は?(n=投資経験あり618)
REIT投資額は「100万円~500万円」が全体の26%と例年同様に最も高いものの、投資額の分布は従来よりも平準化の傾向にある。
現在の金融資産全体に占めるREIT投資額の割合は、例年同様「20%未満」とする割合が最も高いが、昨年の44%から38%へ低下した。一方、「20%~40%」「40%~60%」が昨年よりも僅かに増加しており、例年よりもREITへの投資割合が高くなっている。る。
<現在のJ-REIT投資額>
<J-REIT投資額が金融資産全体に占める割合>
6. J-REIT投資運用期間(予定含め)は?(n=投資経験あり618)
投資期間を「5年以上」とする割合が69%と昨年と同水準で最も高く、REITを長期投資と捉える投資家が多いことが特徴。
例年の調査によれば、投資口価格の変動と投資期間に相関性が見られ、投資口価格の変動が大きいと投資期間が短くなる一方、投資口価格の変動が小さいと投資期間が長くなる傾向が強い。直近の投資口価格は東証REIT指数がリーマンショック後の高値を更新する等、変動率が高まっているが、長期投資の傾向は減少していない。投資口価格の変動に左右されないインカムゲイン投資の傾向が強まっている。
一方で「1年以内」「1年~3年」の短期投資と考える割合も、少数派ながら増加している。長期投資が大多数ながらも、投資期間が二極化する傾向が表れている。
7. 今後J-REIT投資額を金融資産全体の何%にしたい?(n=投資経験あり618)
REITの投資割合を金融資産全体の「20%~40%」を希望する層が39%と例年同様に最も高い割合を示す。また「60%~80%」を希望する層が昨年の21%から24%へ増加したのに対し、「20%未満」に抑えたいとする層が25%から19%へ低下している点から、金融資産全体におけるREIT投資割合を更に高めたいと希望する。
設問5の現在の投資額と比較すると、「20%未満」は低下する一方、20%以上のカテゴリーはいずれも増加している。現在のポートフォリオと比較しても、REIT投資割合を高めたい姿勢が強まっている。
8. 売却しよう(もしくは売却した)とする要因は?(n=投資経験あり618、回答数=1,532)
REIT投資経験者の48%が「売却益の確定」を挙げ、REITを売却する最も多い要因となっている。
次に「他のREIT銘柄へ乗換え」「分配金利回りの低下」が続く。REITは決算期が分散しているため、分配金権利を得るために他銘柄へ乗り換えたり、投資口価格が上昇すれば、利益を確定し相対的に利回りの高い銘柄へ乗り換える動きも想定される。
投資口価格が堅調であることから「投資口価格の下落・損切り」は昨年より後退する一方、「売却予定はない」とする層がランクアップした。但し、「REIT市況への懸念」が昨年よりランクアップしている点から、投資口価格が高値圏にあり、今後の市況見通しに懸念を抱いていることも分かる。
9. 投資情報はどこで手に入れる?(n=649、回答数=1,857)
本アンケートを行っている経緯から、本サイト「JAPAN-REIT.COM」を利用する投資家が83%と高い割合を示す。
2番目に、各投資法人のサイトが位置する。開示情報の即時性、内容の充実、見やすさ等、資産運用会社がサイトリニューアルを施している点が評価に繋がっていると見られる。
10. J-REIT個別銘柄に投資しない理由は?(n=投資経験なし31)
REIT投資の未経験者がREITに投資しない理由として「資金不足」とする個人的な理由が最も多い。
2番目に「投資信託やETFに分散投資」と続く。より少額単位で投資できる点や、REITへより分散投資できる点から、個別銘柄を選択しない投資家も存在する。
一方、昨年2番目にランクした「金利上昇の懸念」が今年は後退した。日銀の金融緩和が継続し、当面金利上昇リスクは限定的と投資家に認識されている。
11. 今後J-REITに投資したい?(n=投資経験なし31)
REIT投資の未経験者のうち、93%と高い割合がREITに投資したい意向を示し、「今後もREIT投資はしない」とする割合が昨年の17%から7%へ大きく減少した。
また昨年は毎月分配型投信のパフォーマンスが低下したため、「REITの投資信託やETF」への投資希望は29%と低かったが、今回は45%と、REIT個別銘柄へ投資したいとする45%を逆転した。投資未経験者は、分散投資でリスク分散を図る傾向が強く、個別銘柄の選択は一段ハードルが高いと考えられる。
12. J-REIT投資(または追加投資)するために望むことは?(n=649、延べ回答数2,433)
例年同様に「1口当たり分配金の成長」が最も高く、好調なREITのファンダメンタルが背景にあると考えられる。
次点に「分配金利回りの上昇=価格の下落」、「投資口価格の安定」と、投資口価格に関する内容が続く。直近の投資口価格の上昇に伴い、REITの最大の特徴である分配金利回りが低下しており、投資妙味が低下している。新たに投資するためには、一定の分配金利回りを確保したいとの意見も多い。
13. 皆様からのご意見(抜粋)
本アンケートに関するお問い合わせ: JAPAN-REIT.COM運営事務局(アイビー総研株式会社 03-5405-9525 info@ibrc.jp)
1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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