2017-01-06
今回は、2017年のJ-REIT価格の見通しについて記載していきます。
前回は、J-REIT価格が上昇するための条件として以下3点を記載しました。
1)国債利回りがボックス圏で推移すること
2)為替相場に円高懸念が生じること
3)J-REITの増配基調が続くこと
更に、3番目の項目を除いて11月には整っていることを記載しました。
1. J-REITの増配基調は?
J-REITの増配基調については、ジャパンリアルエステイト投資法人(証券コード8952)の業績予想は2017年も増配の事例を記載しましたが、その他の銘柄も同様の傾向を示すものと考えています。
その要因として、賃貸市場が堅調な点が挙げられます。
テナントの退店リスクが続く商業施設は、2017年も同様の傾向が続く可能性が高くなっていますが、その他の用途に関しては賃貸収益の増加基調が続くと考えられます。
2. J-REITの金利コストは?
また10年国債の利回りがプラス圏に転じたことで、J-REITの借入金の金利負担が増えるという懸念も生じているようですが、実際には金利負担の減少により増配に寄与する傾向は続くことになりそうです。
その理由としてJ-REIT各銘柄の平均的な借入金期間は5年半程度になっていることが挙げられます。
2017年に返済時期が到来する借入金は2011年から2012年頃に調達したものとなりますが、その当時の国債利回りは1.0%程度となっていました。従って借換えにより金利負担は減少することになるのです。
唯一のマイナス点としては、新規上場銘柄には逆風となるということです。2016年に上場した7銘柄のうち、三井不動産ロジスティクスパーク投資法人(証券コード3471)を除き、上場後の価格が低迷しています。
2017年に上場する銘柄は、借換えではなく新規に調達することになりますので、2016年上場銘柄と比較すると調達コストは高くなる可能性があります。
不動産価格が高騰している状況は続いていますので、2016年銘柄と比較すると分配金が低い水準になることも考えられます。。
3. 2017年の東証REIT指数は?
このように2017年は、新規上場銘柄や郊外型の商業施設を保有する銘柄には逆風となる要素もありますが、上記に記載した価格上昇のための3条件は満たされることになりそうです。
一方でトランプ氏の大統領就任やヨーロッパが選挙の年に当たる点から、海外要因による一時的な急落も考えられます。
また価格上昇のための3条件は、J-REIT価格の大幅な上昇要因となった日銀の金融緩和政策のような大幅な価格上昇の牽引役までは期待できません。
このような点から、2017年のJ-REIT価格は、東証REIT指数で見れば1,700ポイントから1,850ポイントを中心した推移になると考えています。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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