2014-08-26
今回は、8月20日に増資を公表したジャパン・ホテル・リート投資法人(証券コード8985、以下JHR)について記載します。
JHRは、2011年4月にスポンサーがシンガポール系のファンド会社に変更となり、2012年4月にジャパン・ホテル・アンド・リゾート投資法人と合併し、投資法人名を現名称に変更しました。
JHRの特徴は、まず運用資産がホテル特化型であり、ホテル収益に連動した変動賃料の割合が高いことが挙げられます。
JHRの第15期(2014年12月期)の業績予想における営業収益127億円弱のうち変動賃料は36億円程度と28%程度となっています。
他銘柄でも変動賃料を一部採用している銘柄はありますが、JHRは変動賃料の割合が10%を超える唯一の銘柄です。
次の特徴として、合併時に投資口を12分割し、年1回決算と変更したことが挙げられます。
J-REIT市場では、合併やNISA制度の開始に伴い投資口を分割している銘柄が大半を占めていますが、JHRの分割割合が最も高くなっています。そのため、JHRは6万円程度(8月21日時点)で投資できる銘柄となっているのです。
一方で、J-REIT唯一の年1回決算の銘柄であるため、12月の権利確定日に投資口を保有していないと分配金は受領できません。
JHRが年1回決算としている理由は、夏期に収益が高くなるホテルを所有しているため、年2回決算とすると夏期を含む決算期とそれ以外の決算期で分配金の変動が大きくなることに拠るものです。
JHRはこの対策として、中間決算期(6月)の権利確定日に投資口を10口以上保有している投資家に対して投資主優待制度(※1)を設けています。
JHRは増資に伴い業績予想(※2)を上方修正し、1口当たり分配金を2,058円としています。
前述の通り、JHRは変動賃料の割合が高いため、ホテル需要が高い状態が続けば、分配金が増加することが考えられます。
さらに分配金が増加する要因として、3年連続で増資を行ったことで、借入金の調達コストが下がる可能性が指摘できます。
JHRの前期末(2014年12期末)の調達コストは、2%を超える水準となっていました。この水準はJ-REITの中では比較的高いものとなっていますが、安定的に資本調達が可能であることを金融機関に示すことで、借入金の調達コストの低減が期待できます。
JHRの第16期(2015年12期)は、810億円の借入金のうち借換え対象額が200億円を超える金額となっています。
このような点で見れば、JHRは調達コストの低減による分配金の増加余地が他銘柄より大きい銘柄とも言えます。
※1:詳細はJHRのHPに記載されている。
http://www.jhrth.co.jp/stockholder/index.html
※2:平成26年8月20日付「平成26年12月期(第15期)の運用状況及び分配金の予想の修正に関するお知らせ」に拠る。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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