2011-12-29
2011年のJ-REIT価格は、年初を頂点とした下落相場となった。東証REIT指数は、年初の1,156ポイントから12月28日には835ポイントとなり25%を超える下落幅を示すこととなった。
下落の主要因は需給の大幅な悪化だ。欧米の財政悪化による外国人投資家の売越しに加えて、株式市場の下落から国内機関投資家も積極的に手掛け難い状況が続いている。
一方で1口当たり予想分配金は2011年の年初と12月時点を比較するとほとんど変動していない。さらに2011年には2銘柄が新たに合併を公表し、合併差益(負ののれん)の存在で分配金の安定性が高まった銘柄が増加している。
このように大半の銘柄の業績は安定しており、需給と業績の両面での悪化が見られたリーマンショック後の下落とは大きく異なっている。
従って2012年に価格が回復するために必要な条件は、需給の改善に依ることなる。しかし、2012年中に需給の改善を示すためのハードルは高い。具体的には、
(1)欧州の財政問題の沈静化
(2)欧州の景気悪化による他国への影響が軽微になること
(3)米国大統領選を控える中での民主党と共和党との間の妥協成立
の3点が需給回復のために必要だ。どの点も楽観視できるものはなく、場合によって3点ともに条件が成立しないという事態も想定されるのだ。
このような点から2012年のJ-REIT価格は、一時的な回復はあるものの総じて“低空飛行”が続くと見るべきであろう。但し、前述の通り分配金の安定性は高くなっているため、分配金利回りの確保は十分期待できる状況が続く。市場混乱時に追加で購入できる余力を残しながら、利回りの確保を重視した投資が重要となろう。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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