2009-10-23
10月16日に、日本アコモデーションファンド投資法人(略称;NAF)から増資が発表されました。
REITの増資は昨年の7月にフロンティア不動産投資法人が行って以来15ヶ月ぶりになります。
本来定期的に増資を行う必要のあるREITにとって、このブランクは負担でした。
重苦しいエクイティ市場の中で、先陣を切ったのは三井不動産系のレジデンス銘柄のNAFになりましたが、この辺りはさすが三井不動産だと言えます。
尤も、同じ三井不動産系の日本ビルファンド投資法人は、前回(平成20年2月)の増資価格が1,205,400円/口でしたので、今の市場価格では到底追いつけません。
一方、NAFは上場後初めての増資になりますが、
上場時公募価格・・・580,000円/口
投資口簿価・・・・・・・537,352円/口
となっていますから、今の市場価格でも何とかなりそうな範囲です。
勿論、上場時の公募価格を超えるのは難しいでしょうが、投資口簿価に近い価格で増資が出来れば希薄化は抑えられますし、若干下回ったとしても、増資に併せて取得する不動産の収益に因ってカバー出来そうです。
NAFにとっても、予定されているレジデンス銘柄の合併を見れば、今の資産規模(1,465億円)では、大きく水をあけられてしまいますから、大口投資家の分散対象銘柄として劣後してしまう恐れもあります。
又、この時期であればレジデンス銘柄の欠点であった、ポートフォリオNOI利回りの低さを改善する不動産取得が出来ますから、外部成長も理屈に合います。
実際に、増資に併せて取得する不動産の利回りを見ると、現在のポートフォリオNOI利回り(第7期末、取得価格比5.01%/年)を、かなり上昇させそうですので、中長期的に見た外部成長としても頷けます。
投資家にとっても50万円/口程度で増資を受けると、年5.5%ぐらいの利回りが確保出来そうですから、決して悪くはありません。
そして、NAFが無事増資を完了させれば、合併予定のアドバンス・レジテンス投資法人(新設投資法人に変わる予定)、ビ・ライフ投資法人を加えて、3銘柄がレジデンスセクターの基盤を固めることになり、REITでのレジデンスセクター強化に繋がります。
筆者は、以前から、REITの発展にはレジデンスセクターが鍵を握っていると考えていましたので、今のシナリオ通りに事が進めば、REITのリ・スタートが始まりそうです。
その意味でも、今回のNAFの増資は大きな意味を持ち、且つ、注目のイベントだと言えます。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
---|---|---|
2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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