2009-06-19
市場が気にしているREITのスポンサーリスクが徐々に解消の方向へ向かっているようです。
これまでに、資産運用会社の支配株主が変わったのは、先週発表されたDAオフィス投資法人の資産運用会社のスポンサー交代を含めて9社で、現在新たなスポンサーを探しているのが3社になります。
実際に、DAオフィス投資法人のスポンサーがダヴィンチ・ホールディングスから大和証券グループに代わったことで投資口価格を戻していますから、この例を見る限り市場はスポンサーの破綻リスクを織り込んでいるものと解釈されます。
私にも本件について問い合わせがあり、確かにスポンサーリスクは軽減されましたが、ポートフォリオの問題が片付いた訳ではないので、その影響は限定的だと答えました。
恐らく今後も似たような事例が発生すると考えられますが、REITの投資リスクの本質は保有不動産の質と内容ですから、ポートフォリオの改善戦略が鍵を握ります。
特にオフィスビルセクターでは、今年は賃料下落を余儀なくされそうですから、それをどの程度に食い止められるか、そして、どの程度の下落を覚悟しなくてはならないかがポイントになります。
この点については恐らく各資産運用会社も躍起になって精査していると思いますが、予測にはかなりのデータを必要とするのと、分析結果がかなり厳しくなる投資法人もありそうなので、最終的には、若干楽観的な見通しを公式見解としそうです。元々、不動産業界には楽観的な見通しが横行していますから、不動産系REITではその傾向が強くなるかも知れません。
このように考えると、REITのスポンサーリスクが片付いた先には、ポートフォリオの質の精査に関心が移ると考えられます。
これは投資家にとって非常に重要な見方ですが、残念ながらこれを具体的に表す指標はありません。
唯一の方法は、各物件のデータをヒストリカルに整理して、賃貸市場の実勢賃料を割り出し、そして今後の推移を予測して、その標準的数値から自らの保有資産の数値がどの程度乖離しているかを見る事です。
こうなると、投資家の手には負えませんので、何処かの機関に頼りたくなりますが、今の所このレベルの分析が出来る機関が見当たりませんし、敢えてREITが嫌がるような分析を行う所もなさそうです。
それでも、市場の関心がこういう方向に向かうようになるのは、REIT市場にとって前進になりますから、意味ある事だと思います。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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