2007-12-08
12/19に東証へ上場を予定していたジェイリート投資法人が、急遽12/3に上場中止を発表しました。上場承認を得た後での上場中止は3件目ですが、12月という時期は、一昨年のエルシーピー投資法人の上場延期もあり、上場銘柄にとっては鬼門の月なのかもしれません。
上場中止の理由は、ブックビルディングでの投資家の反応が弱かったためだと思われますが、ジェイリート投資法人の予想配当金から見れば、このような結果は仕方ないと思われます。
ジェイリート投資法人の組成資産はオフィスビル21棟でしたが、先発のオフィスビル銘柄の配当金が軒並み15千円/口/期を上回っている状況の中で、ジェイリート投資法人の第2期予想配当金は9,010円/口しかありません。
REITの投資対象として最も高いパフォーマンスを出すオフィスビルを保有しながら、これだけの配当金しか出せないという事は、余程オリジネーターから高値買いをしたためだと思われます。
組成資産の質も、大規模オフィスビル銘柄には遠く及ばず、辛うじて中小規模オフィスビル銘柄と比肩する程度でしたので、見方によっては無謀な上場申請だったと言えなくもありません。
オリジネーターのAIGグループにとっては、首尾良く上場を果たせれば格好の出口となった訳ですが、残念ながら目論見は外れました。
一方、市場にとっては正常な機能が働いている証左だとも言えますので、JREIT全体にとっては良かったと思います。
ジェイリート投資法人が再度上場申請をしてくるのか否かは分かりませんが、一度こういう事があると、市場がバブル状態にならなければ再参入は難しいだろうと思います。
又、JREIT市場の現在の状況は少なくとも来夏までは変わらないと予想されますので、仕切り直しも簡単にはいきません。
12月には、エイブルリート投資法人の上場予定も発表されていますが、こちらも決して楽観出来る状態ではなさそうです。
尤も、エイブルリート投資法人は、レジデンス系銘柄に対する市場評価の低さは承知した上での上場申請だと思いますので、恐らくオン・スケジュールで来ると思います。
仮に、エイブルリート投資法人が上場するとしても、今年の新規上場銘柄は3銘柄で終わりますが、昨年の12銘柄、一昨年の13銘柄という上場ラッシュは一段落したと考えられます。
今後も年間数銘柄程度の上場となる見込みですが、一方で、既存銘柄の統廃合の動きが現実味を帯びて来ましたので、2008年は波乱含みの市場になりそうです。
この意味では、上場予定銘柄も余程しっかりとした戦略を以って望まないと、銘柄再編の動きに巻き込まれる可能性もありますし、逆に、銘柄再編の動きの中で既存銘柄へ参画する手法とを秤に掛けてJREIT参入を考える必要がありそうです。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
1 | アドバンス・ロジ | +2.39% |
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2 | コンフォリア・レジ | +0.64% |
3 | NTT都市開発リート | +0.09% |
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