2013-12-05
J-REITの価格は、11月21日以降堅調な推移となっています。東証REIT指数は、11月の平均値である1,450.78ポイントを上回る水準になり、12月4日の終値は1,467.32ポイントとなりました。
2013年の新規上場は、コンフォリア・レジデンシャル投資法人(証券コード3282)から先月上場したイオンリート投資法人(証券コード3292)まで6銘柄となりました。2012年の新規上場は4銘柄でしたので、J-REIT市場は順調な拡大局面にあると言えるでしょう。また来年は、投資用途の多様化も進みそうです。今年は星野リゾート・リート投資法人(証券コード3287)が旅館中心の銘柄として新規上場しましたが、来年には高齢者対象の住宅を中心としたヘルス・ケア銘柄が上場を予定しています。
さて、今回は11月21日に来年1月からの投資口5分割を公表したジャパンエクセレント投資法人(証券コード8987、以下JEI)について記載していきます。JEIのスポンサーは新日鉄興和不動産(未上場)を中心に第一生命保険(証券コード8750)、積水ハウス(証券コード1928)の3社をコアスポンサーとする銘柄です。なお、その他のスポンサーとしてみずほ銀行とみずほ信託銀行が参画していますので、新日鉄興和不動産と併せて見るとみずほ銀行系の銘柄とも言えます。投資方針上はオフィスビルに90%以上投資を行い、その他の用途に10%程度まで投資できる総合型ですが、現状のポートフォリオは全てオフィスビルで占められています。
オフィスを中心に投資を行っている銘柄は、景気回復が順調に進むと考える投資家にとって有望な選択肢となります。企業業績が向上すればオフィス面積の拡張や賃料単価の高いビルへの移転が活発化するためです。オフィスビル賃料は景気の遅効指標とも言われていますので、景気回復が実現すればその恩恵を受ける時期はこれからと考えられるのです。賃料単価が上昇に転じれば、オフィス系銘柄の分配金が増加に転じる余地が大きくなります。
オフィスだけに投資をしているオフィス特化型銘柄だけで図表の通り6銘柄が上場しています。その中で、まず利回りを比較するとグローバル・ワン不動産投資法人(証券コード8958)の利回りが最も高くなっています。これは、業績予想を開示している当期(2014年3月期)に物件売却益が大きく寄与しているためです。従ってJEIは、オフィス系銘柄としては比較的高い利回り(3.96%)という点が投資する上で大きなメリットと考えられます。
またJEIは投資口を5分割しますので、最も投資単位が低いオフィス系銘柄となる点もメリットです。NISA口座で投資するだけではなく、複数口数に投資を行うことで一部を売却し実現益を確保することが容易になった銘柄と言えるでしょう。また複数銘柄に投資分散を行う上でも投資対象となりやすい銘柄でもあります。
なおJEIに投資を行う場合の注意点として、借入金比率が高い点が挙げられます。JEIは、オフィスビル特化型6銘柄の中で借入金比率(※)50%を超える(11月末時点で53%)唯一の銘柄です。JEIは比較的高い借入金比率を保つ銘柄ですが、6月/12月決算の銘柄ですので12月下旬から来月にかけて増資が公表される可能性があります。増資が実施された場合、現在開示されている来期(2014年6月期)の1口当たり予想分配金12,200円が変動する可能性があるため、注意が必要となるのです。ただし、現在の株価水準で増資を実施すれば、1口当たり出資額を上回るプレミアム増資となります。従って、JEIは、増資によって1口当たり分配金が増加する可能性が高いと考えられますので、現在の株価水準である限り増資を過分に警戒する必要は低い状況になっています。
※借入金比率=(借入金+投資法人債)÷物件取得額で算出した数値。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
1 | アドバンス・ロジ | +2.39% |
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2 | コンフォリア・レジ | +0.64% |
3 | NTT都市開発リート | +0.09% |
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