2014-12-26
年内最後のコラムとなりますので、今回は2014年のJ-REIT市場を振り返ることとします。
2014年のJ-REIT市場は、2013年と同様に6銘柄が新規上場を果たしました。一方で2013年は様々な用途の銘柄が上場した点と比較すると、2014年の上場銘柄は5銘柄がオフィス主体の銘柄となった点が特徴と言えます。この背景にはオフィス市況の回復を投資家が受け入れやすい状況になったことがあると考えられます。また2014年は、J-REIT初のヘルスケア施設銘柄となった日本ヘルスケア投資法人(証券コード3308)が上場を果たしました。公募価格15万円に対して上場後の価格は22万円を超える水準で推移しています。ヘルスケア施設銘柄に対して投資家の需要が高いことが窺える値動きとなっていますが、シニア向け住宅の価格の高騰等から来年以降にこの用途の実力が試されることとなりそうです。
ちょうど一年前のコラムの中で、2014年のJ-REIT価格は、東証REIT指数で見れば1,400ポイントから1,600ポイントを中心としたボックス圏で推移する可能性を記載していました。当時の東証REIT指数は1,450ポイント程度でしたので、やや高い価格帯での推移を想定していました。その要因として、年前半は景気拡大によるオフィス市況回復期待が高まる一方で、年後半には消費税増税の悪影響が顕在化することを指摘していました。また需給面では、2013年の価格上昇を牽引していたJ-REITの投資信託が2014年の買越額が増加する可能性が低い点もボックス圏で推移する要因としていました。
実際に消費税増税の悪影響は、7月から9月のGDPもマイナスとなったことが示す通り顕在化しました。しかし2014年10月までの東証REIT指数は、筆者の想定よりやや高い価格帯で推移することになりました。その要因として投資信託以外の買越主体が、うまくバトンを繋いだことが挙げられます。投資信託は、想定通り4月に売越しに転じたことが示す通り、昨年より買越し額が減少しましたが、外国人投資家が5月から6月に掛けて大幅に買越す等、投資信託に代わる投資家が10月までのJ-REIT価格を支える結果となったためです。
更に10月末に日銀が追加金融緩和を公表したことや、消費税再増税の延期が決定したことで、J-REIT価格が大幅に上昇することとなりました。この2点は、2015年のJ-REIT価格を支える要素となりそうです。
この点も含め2015年のJ-REIT市場動向については、次回の連載で記載する予定です。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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