2013-09-12
J-REITの価格は、オリンピック2020年東京開催決定の「ご祝儀相場」となっています。東証REIT指数はオリンピック開催決定後の9月9日から3営業日連続して続伸し、開催決定前の1,321.31ポイントから9月11日には1,419.66ポイントまで100ポイント近く上昇しました。
J-REIT価格における当面の懸念材料は、9月17日から18日に開催される米国のFOMC(連邦公開市場委員会)での金融緩和の一部縮小の影響です。既に米国の金融緩和についてはその影響が織込まれているという見方もありますが、縮小時期が先延ばしされるとの見方も強く、9月から実施された場合の影響は未知数です。J-REIT価格は上記の通り短期的に大幅に上昇したため利益確定売りが出やすい状況となりそうです。
なおJ-REIT市場は、昨日9月10日に市場開設から12年目を迎えたことになりました。10月9日にはSIA不動産投資法人が上場する予定となっていますので、上場銘柄数はピーク時の42銘柄を回復することとなります。
さて今回は、物流施設特化型であるGLP投資法人(証券コード3281、以下GLPJ)が9月3日に公表した増資(以下、今回の増資)について記載して行きます。GLPJは、シンガポール証券取引所に上場しているGlobal Logistic Propertiesを中心としたGLPグループがスポンサーとなっています。GLPグループは、物流施設を展開する企業としては世界的な規模を有する会社であり、日本の保有する物件群をJ-REITとして長期的に運営することとなりました。
今回の増資でGLPJは579億円強の物件を取得し、取得後のポートフォリオは2,846億円を超える規模となります。GLPJは、2012年12月21日に上場したばかりですので、上場後比較的早い段階で今回の増資を行ったことになります。しかし、物流施設銘柄の場合は資産規模を大きくしてテナント分散を図る必要性が高い点をいう特徴があります。また、GLPJの後に上場した日本プロロジスリート投資法人(証券コード3283、以下NPR)は6月に増資を実施済であり、増資後の株価も順調に推移していることからGLPJの今回の増資が時期として問題になることはないものと考えられます。
さらに今回の増資による発行価格決定は9月18日になる予定ですが、現在の株価は増資前の1口当たり出資額58,414円に対して大幅に高く(9月11日終値95,700円)なっています。GLPJの今回の増資は、いわゆるプレミアム増資となる可能性が高いのです。J-REITでは増資による投資口数の増加に伴い需給が悪化する懸念が高くなるなどにより発行価格決定日に向けて価格が下落する事例が少なくありません。今回の増資価格決定日が、前述の通りFOMCの金融緩和縮小の時期に重なる可能性もありますので短期的にはGLPJの価格が下落する要因が多くなる時期と考えられます。
ただし、GLPJは物流系銘柄としては、投資単位が低くまた利回りの比較的高いため、個人投資家に適した銘柄と考えられます。従って今回の増資により短期的に価格が下落する局面となれば投資好機を言える状況となりそうです。
なおGLPJの1口あたり分配金は、第4期(2014年2月期)に2,167円(利益超過分配金251円含む)、第5期(2014年8月期)に2,066円(利益超過分配金282円含む)となっています。第5期の1口当たり分配金が101円減少する主要因は、固定資産税・都市計画税(以下、固都税)の費用計上が第5期から始めるためです。GLPJの業績予想に拠れば、第5期の固都税額の影響は1口あたり353円程度の分配金減少要因(※)となっています。
GLPJは2012年12月に上場しましたが、上場時の取得物件2,268億円強を2013年1月に取得しています。さらに今回の増資による取得物件のうち294億円強を2013年10月に取得しますので併せて2,562億円分の固都税の費用計上が第5期から始めることになるのです。
※:平成25年9月3日付にGLPJが公表した「平成26年2月の運用状況の予想の修正及び平成26年8月期運用状況の予想について」の前提条件によれば、第5期の固都税は742百万円となっている。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
1 | アドバンス・ロジ | +2.39% |
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2 | コンフォリア・レジ | +0.64% |
3 | NTT都市開発リート | +0.09% |
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