2009-05-08
レジデンスの賃料がオフィスビルに比べて安定していることがデータから分かる一方、必ずしも市場からはそのようには評価されていないようです。
勿論、投資法人の評価は投資セクターだけで行われる訳ではなく、保有資産の質、財務構造、オリジネーターの状況等の要素が加味されますので、レジデンス主体の投資法人の評価が単純に良くなることはありません。
一方、オフィスビル賃貸市場では空室率の上昇と賃料下落の傾向が顕著になっていますから投資家はこの時期の銘柄選定に迷います。
都心3区のAクラスビルであっても賃料下落は想定されますので、REITのポートフォリオを持っている投資家は銘柄ミックスを再検討する必要もありそうですが、単純にレジデンス銘柄の比重を増やすという訳にもいきません。
その理由は、概してレジデンス系銘柄は財務構造も余り良くなく、又、保有レジデンスのタイプ別・地域別の組み合わせの適否も分かりません。
特に、保有するレジテンスをどのような意図で組み合わせているのかが明確でなく、ややもすれば取得出来る物件を中心にして、結果的に構成されている感もあります。
REITのように不動産でポートフォリオを形成する主体は、個々の不動産組み合わせが生命線になりますから、不動産市場から買える物件だけをチョイスするような投資態様は最悪です。
従って、先ず買えるか買えないかは別にして、どういう地域分布とタイプ別比率を目標とするか設定し、その目標へ時間をかけて実現していくという戦略が必要となります。
又、自ら目標とするポートフォリオの合理性を説明出来なくてはなりませんから、レジデンスの地域別・タイプ別特性も把握しておく必要があります。
この考え方は他のセクターにも共通しますが、オフィスビルのようにテナント属性による差異がある場合は、簡単ではありません。
然しながら、レジデンスでは大凡2.5年でテナントが一回転するようですから、テナント属性の問題は捨象してポートフォリオ戦略を組み立てることが出来ますので、レジデンス銘柄にとってポートフォリオ戦略は資産運用能力の根源になるとも言えます。
その意味では、レジデンス銘柄は今の状況に目を奪われているだけでなく、本来やるべき事をしっかりとこなして市場にアピールすべきではないかと思います。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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