2014-04-17
今回は、2014年1月~3月の部門別投資家売買動向(図表参照)について記載します。
【金融機関】
一年前と同様に月平均で200億円近い買越しとなりました。一年前の第一四半期は、東証REIT指数が1,140ポイントから1,700ポイントまで駆け上がった時期でした。その時期と同様の買越しとなった点を見ると、金融機関が2014年に入りJ-REIT投資に積極的になっていることが窺えます。この背景には、4月14日に10年国債の取引が未成立になったことが示す通り、国債の流動性が細っていることがあるものと考えられます。
【日銀】
2014年に入り、日銀の年間300億円の買入れ枠が復活したかたちになっています。年間300億円を月平均にすると25億円になりますので、日銀の第一四半期の買入れはオーバーペースになっています。日銀が2013年に実施した買入れは、年前半に大半の購入枠を使い切ったため、年後半には「息切れ」したかたちになりました。日銀の追加金融緩和がないという前提を置く場合には、日銀の今後の買入動向には注意が必要になりそうです。
【投資信託】
2013年の通年平均と同様の買越し姿勢が維持されています。この背景には、2014年になってからは株式市場と比較してJ-REIT価格の乱高下が少ないことや今後の景気拡大で分配金の増加が期待されていることがあるものを考えられます。一方で投資信託の買越し姿勢が2014年の安定的な価格動向を支えているという見方もできます。投資信託の月平均買越し額は、月平均で106億円を買越しした2006年が暦年ベースでは2013年までの最高額でした。J-REITの投資信託には過去の履歴から見ると異常とも入れる資金流入が続いている状況です。
【個人】
個人の売越し額は、一年前と比較すると減少したかたちになりました。一年前は大幅な価格上昇期であったため利益確定売りが出やすかったことや、2014年は新規上場や増資の動きが一年前と比較すると少なかったことが影響しているものと考えられます。
【外国人】
米国の金融緩和縮小の影響を受けて、外国人投資家は大幅な売越しとなりました。従来のJ-REIT市場であれば、このような動きになった場合には価格が乱高下していましたが、前述の通り投資信託の積極的な投資により外国人の売越しが吸収されています。言い換えれば、外国人投資家の買越し姿勢が明確になれば、J-REIT市場は価格上昇の余地が大きいものと考えられます。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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