今回は、ラサールREITアドバイザーズ株式会社 取締役 財務管理本部長 石田大輔氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。
本投資法人の強みは次の2点から成っています。
①ラサールグループのグローバルな不動産投資の知見と日本の物流施設への豊富な開発・投資実績に支えられた運用力を活用できること。
②東京エリアを中心としたクオリティの高い物件ポートフォリオを構築していること。
他の物流REITと比較した場合の最大の特色としては、規模拡大ではなく1口当たり投資主価値の向上を目標に据え、以下の三本柱から構成される「アクティブ運用」を実施していることが挙げられます。
①ポートフォリオ戦略として、物件入替や優先交渉権の放棄によるパイプラインの取捨選択による厳選投資を通じて高収益性と高クオリティを両立。
②アセット戦略として、クオリティの高いポートフォリオとラサールのリーシング力による内部成長。
③バリューアッド戦略として、良好なファンダメンタルズを本投資法人の成長に直接取り込めるよう、低稼働物件や再開発を視野にいれた底地の取得により超過収益の獲得を目指す。
この「アクティブ運用」により、物件取得による資産規模拡大以外にもDPU(1口当たり分配金)を成長させる手段を多く有していることが本投資法人と他の物流REITとの差別化に繋がっています。
従来は安定稼働物件の取得による外部成長によるDPU押上効果が高かったため、物流REIT各社は資産規模拡大≒1口当たり投資主価値の向上という好循環で成長を遂げていました。
しかし、不動産価格が高値圏で推移する中でその好循環に陰りが見えており、投資家の方々の期待に応えるためには単純な外部成長以外の施策が必要だと感じています。
そうした状況下、1口当たり投資主価値向上を目標に掲げた本投資法人の「アクティブ運用」による差別化が投資家の方々からご評価いただけたことが投資口価格にも反映されているのではないでしょうか。
また、2019年5月の増資により、FTSE EPRA/NAREIT Global Real Estate Indexへの組入れ期待が高まっていることも投資口価格への追い風要因になっていると見ています。
物件パイプラインは現在のストックはもちろん、スポンサー側でも年間300~400億円相当の開発案件をコンスタントに進めており、今後も豊富な状態が続く見通しです。
ただし本投資法人としては、いたずらに資産規模を追求するのではなく、今後3-4年という時間軸で年平均4%超の巡航DPU成長率を達成するといった1口当たり投資主価値向上を重視して成長戦略を進めていく方針です。
そのため、パイプラインから物件を取得する場合であっても厳選姿勢を貫き、収益性と物件クオリティの両立を図っています。
一般論として、不動産価格が高値圏で推移している状況で無理に物件取得に走った場合、利回りの低い物件を掴んでしまったり、利回りを維持するために立地や建物スペックに難点のある物件を組み込んでしまってポートフォリオ・クオリティが劣化してしまうことが起き得ます。
こうした事例を避けるため、本投資法人では投資主価値向上に資さない物件まで無理に買うことはしません。
外部成長を否定しているわけではなく、DPU成長に加えて資産規模拡大による投資口の流動性向上やリスク許容度の増加、グロス金額としての財務余力の創出といった1口当たり投資主価値向上に資するメリットがありますので、まず厳選した優良な投資機会があり、その調達手段として入替、借入、手元現預金、増資を比較検討した上で最適な資金調達を行い、収益性と物件クオリティを両立させて外部成長を図っていく方針です。
(Billions of yen)
1 | Shinjuku Mitsui Bldg. | 170 |
---|---|---|
2 | IIDABASHI GRAND BLOOM | 139 |
3 | Roppongi Hills Mori Tower | 115 |
4 | Shiodome Building | 107 |
5 | Tokyo Shiodome Building | 83 |
1 | Japan Real Estate | +3.47% |
---|---|---|
2 | Nippon Prologis | +2.98% |
3 | ORIX JREIT | +1.70% |
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