今回は、GLPジャパン・アドバイザーズ株式会社 代表取締役社長 川辻 佑馬氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。
我々GLP投資法人は、物流施設開発・運営の最大手であるGLPグループをスポンサーとして2012年に上場し、物流施設主体型REITの中でも最大級の資産規模(鑑定評価額1.1兆円)を誇っています。その豊富な経験と実績を基に多様な成長戦略を展開しながら業界全体をリードしてきました。保有物件数は92物件と物流REIT最大で、東京・大阪を中心に物流のプライム・エリアをカバーする安定したポートフォリオとなっており、稼働率は上場以来継続して99%程度を維持しています。
また、物流不動産市場が成長する中で分配金をこれまで着実に成長させてきており、それを実現するための成長戦略の柱として、内部成長、外部成長に加え、物件売却や財務戦略といった4つの戦略を掲げています。
内部成長に関しては、物流不動産の黎明期から活躍するスポンサーの強力なリーシングチームのもと、上場来 23期連続での賃料増額を達成しており、直近3年間の契約満期での賃料増額率は平均+6.8%と他社対比でも力強い賃料増額を実現しています。満期でのマーケット賃料への改定だけでなく、契約期間中であっても、契約期間が3年超の契約の約80%にCPI連動条項(※)を導入し、物価上昇の追い風を受けるポートフォリオを構築しています。
外部成長に関しては、IPO以後継続的に物件を取得しており、11回のPOを通じて70物件、7000億円程度を取得しました。スポンサーが1兆円規模の開発パイプラインを有する中、スポンサーの最新鋭の開発物件と第三者物件の両方を取得し、継続的に成長を実現しています。直近でスポンサーはALFALINKという次世代の大型物流施設や冷凍冷蔵物流施設といった新たなスペックの施設を開発しており、業界でも例を見ないクオリティの高いポートフォリオを形成することが可能になっています。
物件売却に関しては、ポートフォリオ全体で34.9%の豊富な含み益を有することに加え、92物件と物流REIT最多の物件数を誇るGLP投資法人だからこそ継続的に実行できる戦略であり、直近8期連続で物件売却を実施して100億円の含み益を投資主の皆様に還元しつつ、ポートフォリオのクオリティを向上させています。
※CPIの変動に伴って契約期間中の賃料を改定する条項
GLP投資法人のデットの構成は、有利子負債の95%が固定金利になっていまして、借入年限が平均8年と返済期限の分散を実現しています。分散の効果により今後一年で満期を迎える借入は10%未満になっている一方、満期を迎えるリース契約は今後一年で約17%になります。リファイナンスの規模は限定的で短期的な金利上昇のインパクトは大きくなく、かつそのインパクトは賃料上昇により充分に吸収できると考えています。
さらに財務戦略に関しては、業界を牽引する革新的な取り組みを実施しています。例えば2019年にはJ-REIT初となる海外ABB増資を行い、2020年には世界初の公募市場での利率リワード型のサステナビリティリンクボンドを発行しました。こうしたJ-REIT業界を牽引する新たな資金調達を実施しつつ、直近でも自己投資口の取得を行うなど戦略的に資金を活用して投資主価値の向上につなげています。また、ESGの取り組みも注力しており、不動産ファンドのESG評価で最重要な「GRESBリアルエステイト評価」において、上場物流ファンドとして3年連続で世界1位の評価を獲得し、4年連続でセクターリーダーを受賞するなどESGの面でも業界をリードする存在となっています。
これに加え、物件の再開発や太陽光パネルの新設など様々なValue Addも実行しながら、投資主価値の向上を実現させています。太陽光パネルの新設においては、投下資本に対し10%程度の利回りを獲得しており、ESGにも貢献すると共に、収益性の向上も実現しています。こうした多様な成長戦略を立案・実行することができる資産運用会社の強力なチームを抱えていることもGLP投資法人の強みです。不動産ファンド出身者のみならず、銀行、証券、機関投資家、不動産仲介、政府など多種多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナル集団で構成されるチームは、継続的に革新的な取り組みを実行してきており、J-REIT部門で史上初となる3年連続で主要なDeal of the Yearを受賞するなど業界においても高い評価を受けています。
東北から沖縄まで日本全国に物件を保有しており、エリア別では関東圏・関西圏が中心で84.7%(24年5月末時点、取得価格ベース)と分散が効いたポートフォリオを構築しています。
物件のクオリティも特徴であり、我々のポートフォリオはGLPグループの開発物件と第三者開発物件で構成されています。GLPグループ開発物件の中でも特にGLP ALFALINKシリーズは単なる物流施設にとどまらない「創造連鎖する物流プラットフォーム」であり、他社との差別化の源泉となっていると考えています。GLP投資法人としてもGLP ALFALINK相模原4を保有していて、他にGLP ALFALINK流山5/6の優先交渉権を有している状況です。
ALFALINKシリーズ以外も、GLP開発物件、第三者物件ともにテナントニーズ、立地ニーズに沿ったクオリティの高い物件群で構成されています。上場来、稼働率は約99%で推移していることがその証左です。また、好条件の物件を他社に先駆けて保有していることから、ポートフォリオの含み益率も34.9%(2024年2月末時点)に達しています。
(Billions of yen)
1 | Shinjuku Mitsui Bldg. | 170 |
---|---|---|
2 | IIDABASHI GRAND BLOOM | 139 |
3 | Roppongi Hills Mori Tower | 115 |
4 | Shiodome Building | 107 |
5 | Tokyo Shiodome Building | 83 |
1 | Japan Real Estate | +3.47% |
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2 | Nippon Prologis | +2.98% |
3 | ORIX JREIT | +1.70% |
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