2017年05月22日

サムティ・レジデンシャル投資法人

FISCO REIT REPORT

サムティレジ Research Memo(12):他社との提携によるモデルルームの設置や多様なコスト削減による内部成長

――サムティ・レジデンシャル投資法人の成長戦略とその進捗

(2) 内部成長戦略の進捗
a) 稼働率向上に向けた施策
競合物件との差別化や見込客への効果的な訴求を目的として、国内外のインテリアメーカーの家具で統一されたモデルルーム(同メーカーにコーディネートを依頼)を設置し、早期入居申し込みの獲得を推進。その結果として、短期間での稼働率の向上に結び付けることに成功している。

b) コスト削減策
物件特性や地域環境に合った多様なコスト削減施策に取り組んでいる。具体的には、電力供給会社の切り替え(31物件)やLED照明導入(7物件)などによるコスト削減のほか、降雪地域においては、融雪システムの稼働を状況に応じてオンライン管理することにより燃料使用料の抑制につなげている。特に、LED照明導入については今後もコスト削減余地が大きいとみられる。

c) その他各種施策
カーシェアリングの導入や、宅配BOX設置のほか、入居者ニーズに応じた設備改修を行うことにより、入居者のユーザビリティ向上や物件競争力の強化、ひいては同REITの知名度向上に資する施策に取り組んでいる。

弊社では、外部成長については、現時点のパイプライン(検討中及びブリッジを含む)が32物件と順調に積み上がっており、資産規模1,000億円の達成は射程圏内にあるものと評価している。むしろ、1,000億円達成後の成長ペースをいかに加速していくのかに注目している。また、内部成長についても、稼働率については上限に近い水準にあるものの、各主要地方都市における資産規模の拡大により運用効率がさらに高まる効果が期待できるほか、地域特性にあった運用ノウハウの蓄積によりバリューアップ及びコスト削減の余地は大きいとみている。今後も同REITならではのポートフォリオがどのような進化を遂げていくのかに注目していきたい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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