2024-12-30
1. 2024年のJ-REIT価格は下落基調で推移
2024年のJ-REIT価格は、東証REIT指数の上値が1月22日の1,844ポイント、下値は12月19日の1,613ポイントが示す通り、下落基調の推移となった。東証REIT指数は、急落後の反発を示す時期もあったが8月下旬以降は続落傾向が明確になり、下値を切り下げる展開となった。
価格下落の最大要因は、米国長期金利の想定外の上昇と考えられる。米国10年債利回りは2023年11月以降低下基調が鮮明になっていたが、2024年に入ると再上昇を示した。さらにFRB(米国連邦準備制度理事会)が利下げを実施する可能性が高くなった8月以降は、3%台まで低下する時期が2ヶ月程度続いたが、その後は再上昇に転じた。
外国人投資家は、米国長期金利の低下を見越してJ-REITの買い越しをしたが、上記の通り2回にわたり思惑が外れ、その後は大幅な売り越しに転じた。このような外国人投資家の動きが想定できる中では、国内機関投資家もJ-REIT市場から逃避する流れになっていると考えられる。
2024年は、米国長期金利の上昇に伴い、為替が円安になりやすい中で株式市場に資金が流入することになり、好調な株式市場と低迷するJ-REIT市場という値動きの1年となった。
2. 2025年の見通し~米国長期金利の動向次第、利回り面では投資妙味あり
一方で、J-REIT価格下落に伴い、分配金利回りは12月で見れば5%以上の利回りでの推移が続くなど高い水準となっている。利回りを支える分配金も増配基調は続いているため、利回り面で見れば極めて割安な水準となっている。
さらにJ-REITの利回りと米国10年債利回りとの乖離(スプレッド)も0.5%以上での推移が続き、米国長期金利が高いためにJ-REITへの外国人投資家の資金流入が期待できないとは単純に言えない状態になっている。
しかし、トランプ氏の米大統領就任を2025年1月に控え、同氏の政策による米国債利回りへの影響の見通しが定かでない状態では、外国人投資がJ-REIT投資を再度拡大するとは考えられない。12月の米国10年債利回りの動きを見ても11月中旬からは低下から一転、上昇し直近1年で最も高い水準の4.5%台となっている。従ってスプレッドが拡大しても、その後に米国10年債が上昇する懸念がある中では、外国人投資家の資金流入は期待できないと考えられる。
このような点から、2025年のJ-REIT価格は2024年と同様に米国長期金利に左右される展開となりそうだ。東証REIT指数で見れば、下値は1,500ポイント、上値は1,900ポイントを想定している。
上値余地が大きいが、米国長期金利の動向次第という側面が強く、2025年前半は2024年秋以降続く価格低迷を想定しておく必要がありそうだ。また下値に関しても、米国10年債利回りが5%以上で推移するようになれば割り込む局面も想定される。
前述の通り、J-REITは利回り面では極めて投資妙味がある状態だ。しかし、下落も想定されるため投資時期を極力分散して、価格急落時に投資できる余地を確保しておく必要がありそうだ。
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