今回は、三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社 田郷岡 成紀氏、元山 清仁氏に業界動向やファンドの特長に関してインタビュー形式でお話していただきました。
(田郷岡氏)
最近では運用会社に建築士の方がいるケースも増えてきていると聞いておりますが、弊社では、設立当初から専門部隊を作るという方向で進んでいた点が特長的です。
具体的に対応した事例として、照明のLED化や3.11の震災以降に自家発電機の設置を行いました。また、危険物倉庫を設置したケースもあります。投資を行う際の行政協議や書類申請など手続きが煩雑にはなりますが、きめ細かく対応することがテナント満足に繋がっていると思います。また、テナントニーズに合わせた投資を行うことで賃料がアップするケースもあるため、物件のバリューアップに貢献することも意識しています。
(元山氏)
市場に過熱感があるという環境認識のもと、弊社はこれまで通りの長期的な目線で取得していく方針です。外部成長のためには3つの戦略を掲げています。
1つは逆張り戦略です。
他が買えない時に購入し、他が買っている時には情報の取得に努め、借入比率(Loan to Value、以降、LTV)を一定レベルに維持する等の準備をすることで、時期が来た時にすぐ購入できるようにしています。 本投資法人のLTV27.1%(2016年3月14日時点)は全REITの中でも最低水準であり、LTVを35%まで高めた場合は320億円程度の借入余力がある等、財務面からも逆張り戦略を支えています。
もう1つは相対取引です。
入札にはもちろん参加しますが、単に高い価格で落札するという方法は取りません。売主と双方win-winになる仕掛けを提案し相対取引に持ち込むようにしています。例えば、セール&リースバックや共同再開発の手法により相対取引にすることで、本投資法人の取得方針に合う物件利回りの確保を心がけています。
最後は、再開発事業です。
弊社の最も大きな強みは、REIT独自で再開発をした経験(以降、OBR※)があることです。REIT独自で再開発できることの最大の投資家メリットは「開発利益が外部流出しない」ことです。通常のREITの場合は、スポンサー企業と物件の入替を行い、再開発後に再度組み入れるという作業を行います。この場合は、スポンサー企業に開発利益が流出し、余計な手数料もかかってしまいます。弊社の場合は、建築やリーシング担当を内製化していますので、REIT独自での再開発が可能となります。そうすることで物件の利回りが高くなり、競合物件よりも価格競争力のある賃料提案ができるためリーシングリスクの軽減につながります。
最近では、この再開発やリーシングのノウハウを、弊社からゼネコンやリース会社などのパートナー企業に提供し、パートナー企業に開発事業を代行してもらうことで、新規物件のパイプライン獲得につなげる試みを始めています。
いずれにしても経済のサイクルを見逃さず、時期に応じたアクションを常に心がけています。
※OBR(Own Book Redevelopment):REIT自らが行う保有物件の再開発(日本ロジスティクスファンド投資法人HP:http://8967.jp/about/feature04.html)
(Billions of yen)
1 | Shinjuku Mitsui Bldg. | 170 |
---|---|---|
2 | IIDABASHI GRAND BLOOM | 139 |
3 | Roppongi Hills Mori Tower | 115 |
4 | Shiodome Building | 107 |
5 | Tokyo Shiodome Building | 83 |
1 | Japan Real Estate | +3.47% |
---|---|---|
2 | Nippon Prologis | +2.98% |
3 | ORIX JREIT | +1.70% |
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