2016年03月29日

第2部「REITキーマンに聞く!」株式会社ミカサ・アセット・マネジメント 東野 豊氏

今回は、株式会社ミカサ・アセット・マネジメント 東野 豊氏にマーケット動向、スポンサー変更やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。

第2部:日本賃貸住宅投資法人について

――特徴についてお話ください

第1は、平均稼働率が98%超と住居特化型REITでトップです。
現在、約13,000戸の賃貸マンションを保有しています。年間2割程度(約2,600戸)、月間平均で200戸以上の入退去があります。そのため、遅滞なく入退去情報を把握し、再商品化(原状回復)工事の早期完了やリーシング活動を強化することにより、ダウンタイムの極小化に注力しています。当社では、4年以上前に独自に開発した「日次稼働率予測システム」を昨年5月にバージョンアップし、現在では2時間ごとに最新の入退去情報や稼働率予測を社外からもインターネットで把握することができます。月次稼働率の予測値等の詳細情報が、物件ごとに部屋単位で瞬時に分かりますので、物件への実査等も含め、PM会社と協働してアクションプランを早期に実行しています。

※稼働率:日本賃貸住宅投資法人HPサイト (http://www.jrhi.co.jp/ja_cms/portfolio/rate.html

第2は、PM業務に関して、実績のある外部9社と良好な関係を構築している点です。
2010年にプロスペクトリート投資法人と合併した時のPM会社総数は19社でしたが、その後に集約を進め、現在は9社体制です。毎年、全社に対して年間ベースの評価のフィードバックをさせて頂き、上位の会社を表彰する制度を5年以上前から行っています。普段からの親密なコミュニケーションにより、PM全社と賃貸業務や工事発注等で良好な関係が維持され、安定した実績が上がっています。

第3は、すべての取引が透明性の高い第三者との取引になっている点です。
2009年以降、新規に取得した物件はすべてスポンサー以外の第三者からの取得です。また、工事発注の多くは、相見積取得により内容及びコストを十分検証の上、業者選定を行っています。当社は、投資法人に対するフィデューシャリー・デューティ(信認義務)の履行を軸として、合理的な意思決定を行うことを資産運用の要としています。

――今お聞きして、本当に現状把握がスピーディーにできるという点、そこからすぐアクションを起こして空室期間を短くできる点が本当に強みとなっているのかと思います。
――システム開発についてもう少し教えて下さい。(他REITからツールについて話をもらうことがありますでしょうか?)

当社の強みは、独自に開発したシステム自体にもありますが、当社にはシステム開発ができるIT担当の社員がいますので、開発後もアセットマネージャー等と情報交換を行いながら、開発したシステムを日々運用しながら修正・改良できる点です。

当該IT社員は、投資法人の実務に精通しており、定期的に開催されるシステム会議等を通じて、常に経営陣と同じ目線でシステム開発について考え、迅速に対応する等、コミュニケーションが良く取れている点も大きいと思います。システムを持っているだけでは意味がなく、実際に使用して浸透していくということが大事だと思います。なお、当社のシステムに関して、他の上場REITや私募ファンドの資産運用会社、コンサル等から御照会を頂くこともあります。

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