今回は、野村不動産投資顧問株式会社 宇木 素実氏に合併やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。
景気感応度の高いオフィスと駅前商業施設に関しては、契約も短期でマーケットの中でもデータが蓄積されており、テナント自身も賃貸マーケットの変動を認識ができます。そういう意味では、このような成長型セクターの新規テナントへの入れ替えや改定時の賃料アップは現在のマーケットを見ると積極的に狙っていきたいと思っています。
これまでのNMFは物流施設と商業施設だけでしたが、総合型になりオフィスのような内部成長力のあるセクターが入ることは、成長に大きく貢献できると思います。
実際オフィスは新規契約に関しては、2~5%位はもともとの成約賃料から上がっており、今後のマーケットの状況次第ではありますが、今後も新規契約によるアップをしっかりと果たしていきたいと思います。
今まで各REITでお付き合いしてきた金融機関(32社)とは変わらないお付き合いとなっています。
一番大きく変わったのは、総合型になったということより、規模が大型化したことでより分散が効き、ポートフォリオが安定したという認識をして頂いたことです。
昨年の10月1日の合併後、格付けがAA-だったのが、AAに格上げされた影響もあると思います。
もちろんLTV※1やDSCR※2も見ておりますが、第3者からの評価についても以前より上がったことで、その分のスプレッドや調達余力に関しても評価頂いています。
NOFやNRF時よりも、金利水準の交渉余地が出てきているかと思います。
※1 LTV(Loan To Value):借入金比率を示す指標
※2 DSCR(Debt Service Coverage Ratio):債務返済の安全性を示す指標
会計上のれんは資産に計上し、本投資法人では、20年にわたって定額法で償却することになっています。 そのため会計上の利益が減少することになりますが、当該償却はキャッシュ・アウトを伴いませんので、その分を利益超過分配としてお支払いすることで、分配金に影響を与えずに投資家の方がデメリットを受けないようにすることが「正ののれん」の対応になります。
これまでは、のれん償却による税会不一致が生じた場合、法人課税されてしまいました。しかし、今回の税制改正を受けて利益超過分配を行うことによって、課税の軽減を図ることができるようになりました。
本来で言えば、「正ののれん」が無いほうがいいのではないかという意見はありますが、大型化のシナジーやコストが下がる等の合併によるメリットがあるので、単純に「正ののれん」があることが悪いのではなく、合併によるプラス材料の方を認識していただいているので「正ののれん」が発生していても大きな課題になるのではなく、分配金としてしっかりとお支払いしていくことでご理解いただいています。
※正ののれんへの対応:野村マスターファンド投資法人HPサイト (http://www.nre-mf.co.jp/ja/feature/feature4.html)
(Billions of yen)
1 | Shinjuku Mitsui Bldg. | 170 |
---|---|---|
2 | IIDABASHI GRAND BLOOM | 139 |
3 | Roppongi Hills Mori Tower | 115 |
4 | Shiodome Building | 107 |
5 | Tokyo Shiodome Building | 83 |
1 | Nippon Prologis | +1.86% |
---|---|---|
2 | Daiwa House REIT | +1.82% |
3 | CRE Logistics | +1.77% |
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