「REITキーマンに聞く!」今回は、平和不動産アセットマネジメント株式会社 平野 正則 氏にJ-REIT市場とファンドの特徴をインタビュー形式でお話していただきました。
内部成長に関しては、2つありまして、貸室賃料に関する部分と、それ以外の部分です。
我々の本当の強みというのは、貸室賃料のトレンドだけに影響されるのではなく、細かい対応の積み重ねによる内部成長を図れる点だと思います。
貸室賃料に関する部分では、オフィスは空室率の低下に伴って、新規賃料は底入れし、中規模物件についても都心部は上昇に転じていますが、一方で既存テナント様との間には、まだ賃料ギャップがある状況です。個別の対応が重要ですが、賃上げについてもスタートしており、実績を積んでいます。
レジデンスは、逆に賃料ギャップがほとんどなく、入れ替わりや更新に伴ってアップサイドを狙っていっているのが現状です。
賃料以外の部分では、ダウンタイム(空室期間)の削減や電気料金の削減、省エネ化、駐車場管理、自販機、未収金管理の徹底、運営コストの削減、鑑定費用、事務委託費など、1つ1つ細かく見ていくことで分配可能利益の維持向上を図っていくことが重要であると考えています。
PM会社の協力もありますが、社内の決裁手続き等も意思の伝達を早める動きをしております。レジデンスは常に入れ替えがあり、オフィスと違い原状回復期間は、賃貸借期間から外れて収入が得られない期間です。稼働率は各社97%前後というかなり高い水準になっています。そうなると原状回復期間の短縮というところまで手を入れていかなければ、収益が上がってこない状況になります。1つのテナントが退出してから次のテナントが入居するまでの期間をリーシング以外でも縮める努力をしていかないといけないと思います。
また、運用資産にレジデンスが約4000戸ありますが、その全室についてリーシング期間を確認して、長期空室になっているものについて1つ1つ要因を調べてつぶしていくという作業もしています。会社を挙げた大規模な対策から担当者レベルの日常的かつ非常に小さな対策まで幾重にも積み重ねることを心掛けています。
J-REITは先程述べたような社会的意義や良質な賃貸不動産を世の中に供給するという使命があると考えています。J-REITの物件が一般不動産市場に比べて稼働率が高く大きな収益を生んでいるのは、こうした使命に実直に向き合った結果として表れているのではないかと思います。
今後はおそらくサスティナビリティというキーワードも不動産を取り扱っていく上で重要なものになると思います。
環境にも配慮した良質な物件が、より求めらるようになると思います。
投資主の方々に安定した分配金をお支払いしていくことは当然に果たさなければならないところではございますが、これと同時に資産の運用において社会的な意義に沿った形で、良質な賃貸不動産を供給するというしっかりした機能を提供し続けることがJ-REITに求められるもう一つの側面であり、投資主の皆様の期待に応えることにつながるものと考えています。
今回ご対応インタビューにご対応いただきました平和不動産アセットマネジメント株式会社の皆様です。
左から平野 正則様、斉藤 卓也様、伊藤 真也様
(Billions of yen)
1 | Shinjuku Mitsui Bldg. | 170 |
---|---|---|
2 | IIDABASHI GRAND BLOOM | 139 |
3 | Roppongi Hills Mori Tower | 115 |
4 | Shiodome Building | 107 |
5 | Tokyo Shiodome Building | 83 |
1 | Japan Real Estate | +3.47% |
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2 | Nippon Prologis | +2.98% |
3 | ORIX JREIT | +1.70% |
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