2019年05月08日

特集!インフラ投資法人「東京インフラ・エネルギー投資法人」インタビュー

今回は、東京インフラアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 杉本啓二氏にインフラファンド市場とファンドの特長に関してインタビュー形式でお話していただきました。

東京インフラアセットマネジメント 杉本 啓二氏

略歴:杉本 啓二(すぎもと けいじ)氏
大学卒業後、1979年に三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行、銀行業務に従事した後、NY支店・本店勤務を経て、三和フィナンシャルプロダクツUK代表取締役社長及び三和インターナショナルPLC取締役副社長に就任、グローバル市場において主にデリバティブ取引に従事。その後アドバイザーテック証券取締役会長、あおぞら銀行金融商品開発部長、東海東京証券執行役員(投資銀行本部)、コランダム・イノベーション(投資助言業)取締役CFO等を歴任、広範囲にわたるキャピタルマーケッツ業務・投資銀行業務に精通。2012年にグリーン・リソース・インベストメント株式会社を創業、代表取締役に就任、多数の再生可能エネルギー事業の立ち上げを主導する。2016年7月当社取締役資産運用部長として参画、2017年12月当社代表取締役社長に就任。

第一部:業界動向について

――太陽光発電所の取得環境、運用環境について、現状と今後の見通しをお話しください。

まず、稼働済発電所の取得環境ですが、セカンダリー市場では、投資リターンが年率3%以下の発電所がセカンダリー市場に豊富に出回っている一方、投資リターンが年率10%を超える優良発電所はほとんど出回っていません。
リスク許容量の大きい私募ファンドと異なり、抑制的なリスク管理方針に基づき安定的な分配金を投資家に提供することを目標とする上場インフラファンドにとって、現状のセカンダリー市場は直接的な物件取得源として利用するには難しいのが現状です。
次に、運用環境ですが、電力会社による出力制御が目先の課題としてあります。東京、関西、中部の大都市圏では心配はないのですが、九州、四国ように域内での電力需要が比較的小さい地域で原発が再稼働してくると、電力需給のバランスを取るために、出力制御がより頻繁に行われるリスクがあります。
長期的には広域送電網の拡充による地域を跨いだ電力融通、あるいは蓄電設備の増強により解消されていく問題だと考えていますが、上場インフラファンドとしては、太陽光発電所所在地域の電力需給も睨んで投資戦略を組み立てねばならない状況が当面続くことでしょう。

――太陽光発電で利用されるパネルについて、この先性能はどの程度向上するとお考えでしょうか。

6年前に1.7㎡で185ワットだった発電能力が、現在では、同じ面積で400ワットとなっています。 6年かけて発電能力がほぼ2倍に成長したわけですが、ここから半導体の「ムーアの法則」のように加速度的に性能向上が進んでいくかというと、私はそれは極めて難しいと考えています。現在のパネルの光エネルギーの電力への変換効率は18%あたりで、ここから20%、30%と増やしていくのは、技術的にも難しい面があります。もし変換効率22%の壁を超えるパネルが開発できたとしても、非常に高価になることが予想され、経済活動としての発電に用いるには採算面で厳しいものになるのではないでしょうか。

――太陽光発電以外の再生エネルギー発電について、現状や今後の見通しは如何でしょうか。

風力発電では陸上型と海上型がありますが、陸上型では開発適地が既に先行企業にほぼ押さえられています。 海上型は開発資金が非常に多額に上りますので、大企業が連合を組む、あるいは国が中心にならないと開発が進められません。したがって、大半の上場インフラファンドにとって風力発電所を取得しようとした場合、稼働済発電所の一部を買う、海上型についても開発プロジェクトに部分的に出資するといった関わり方になるのではないでしょうか。
バイオマス発電は燃料を安定的に調達できる企業が運営しているか否かではっきりと明暗が分かれています。製紙業や林業のように、自前で山林を保有して間伐材等の燃料を自給できる事業者が運営している発電所、あるいは海外からのヤシ殻等の長期間安定した調達ルートを確立している事業者が運営している発電所は、高い投資リターンを実現しています。
一方で、家畜糞尿や食糧残滓を燃料として利用するものについては、燃料の調達コストの高さ、供給の不安定さに晒されて、多くが採算割れしてしまっています。
中小水力や地熱発電については、発電に必要な要素が存在する場所を取得することに加え、高性能な発電設備をどれだけコストを抑えながら導入し運営できるかが重要になります。

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