2021年09月14日

「REITキーマンに聞く!」住商リアルティ・マネジメント株式会社 常務取締役 矢野 正明氏

今回は、住商リアルティ・マネジメント株式会社 常務取締役 矢野 正明氏に業界動向やSOSiLA物流リート投資法人の特徴に関してインタビュー形式でお話をしていただきました。

住商リアルティ・マネジメント株式会社 矢野 正明氏

略歴:矢野正明(やの まさあき)氏
1990年に住友商事に入社。入社以後一貫して、不動産関連ビジネスに従事する。ジャカルタ、ニューヨーク、アトランタ駐在等を経て、住商リアルティ・マネジメントに出向し、私募ファンド及び私募リートにて取得・運用に携わる。住友商事に帰任後、物流施設「SOSiLA」シリーズの開発に従事し、2017年からは「SOSiLA物流リート投資法人」の上場プロジェクトに責任者として参画。2019年、住商リアルティ・マネジメントに再度出向し、SOSiLA物流リート投資法人の 執行役員及び常務取締役上場リート事業部長に就任(現任)。趣味は魚釣りで、最近は鮎釣りにはまっている。

第1部:REIT市場・業界動向について

――現状のREIT市場と市場全体の見通しについてお聞かせください。

コロナ禍により2020年3月下旬に大きく落ち込んだREIT市場ですが、物流セクターを先頭に回復し、本投資法人の投資口価格を例とすると、2020年5月にはコロナ禍以前の水準に回復しました。その後もREIT市場は、緩和的な金融環境を背景に、投資家の投資意欲は引き続き高い状況にあり、セクターによって例外はあるものの市場全体は好調です。その結果、2020年12月に1,800を下回っていた東証REIT指数は年明けから上昇し、2021年7月には2,200近くに達し、年初から約2割上昇しました。
REIT市場が好調な背景の一つには、英FTSEラッセルがFTSEグローバル株式指数に日本のREITの組入れを開始したことがあります。同指数に連動したパッシブ運用を手掛ける機関投資家が、組入れ対象となったREIT銘柄を買い入れてきました。
ただ、この指数組み入れは2021年6月18日に完了し、海外勢の旺盛な買いに支えられてきた潮目が変わる中、今後はコロナの影響に伴うアセットクラス格差や、個別銘柄の運用戦略等に注目が集まるものと見られます。
また、特に物流不動産はEコマースに支えられた底堅い需要が今後も継続してゆくことが見込まれることから、物流セクターのファンダメンタルの強さがマーケットでも認知されており、相対的に他のアセットクラスに比べて堅調に推移してゆくものと考えています。

――投資対象用途の賃貸市況と売買市場の現状及び見通しについてお聞かせください。

物流不動産は、従来からのEコマース拡大に、コロナを契機とした巣ごもり消費等がドライブとなり、さらにEコマース需要が増加し、最もポジティブに捉えられているアセットクラスであると認識しています。本投資法人においても稼働率は100%を維持しており、テナントの契約更改も順調にすすんでいることから、相対的にコロナの影響は受けにくいセクターとも言えると思います。
また、物流不動産については利回り水準の低下を示唆する取引が複数見られ、鑑定評価においても利回りの低下傾向は継続しています。物流不動産に関しては、デベロッパーが系列のリート、またはファンドに卸すケースが多いので、一般のマーケットでの築浅物件の売却案件は少なく、これが利回りを押し下げる一因にもなっているように思われます。
消費者サイドは、Eコマースの利便性を一度享受したことで、購買行動のEコマースシフトが加速しており、グローバル水準と比較しても日本はまだ低いレベルにあることから、今後もその傾向は続くものと予想されます。今後コロナの影響が終息した後も、Eコマース市場は不可逆的に拡大するものと想定されることから、大型物流施設への需要は更なる拡大が見込まれ、当面タイトな需給状況が続くものと考えており、こうした需給状況を背景に賃料も強含みで推移するものと考えています。
こうした物流不動産マーケットのファンダメンタルズの堅調さは、他のアセットクラスとの相対比較において、物流セクターへの投資を魅力的なものとしており、当面物流不動産への投資ニーズは強く、取得競争が継続すると考えています。

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