2024年02月07日

決算情報拾い読み 平和不動産リート投資法人

2023年11月期(第44期)決算説明資料

今回取り上げるのは、2024年1月18日に開示されたた平和不動産リート投資法人(以下HFR)の44期(2023年11月期)決算説明会資料です。
資産運用会社は、平和不動産株式会社の100%子会社である平和不動産アセットマネジメント株式会社にて、HFRは2005年3月に上場しており、2010年10月にはジャパン・シングルレジデンス投資法人と合併しております。

 

ポートフォリオ投資方針等

ポートフォリオ戦略等

HFRは、オフィスビル、レジデンスに投資する。例外的資産として、オフィスビル及びレジデンスの底地に投資することがある。投資地域は、東京23区を中心に東京・神奈川・埼玉・千葉の主要都市、及び仙台・名古屋・京都・大阪・神戸・福岡等の地方主要都市。

 

第44期のトピックス

1.投資環境

オフィスビル賃貸マーケット
三鬼商事株式会社の最新オフィスビル市況によれば、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)のオフィスビルの平均空室率は、解約の動きは一部で見られたものの、新築ビルや大規模空室での大型成約や拡張移転等の動きもあったことから、前期末(2023年5月末)の6.16%から当期末(2023年11月末)6.03%へとやや改善した。一方、平均賃料については、2020年8月以降40ヵ月連続で下落となり、前期末の19,877円/坪から当期末には19,726円/坪となった。2023年のオフィス大量供給を契機とした需要を上回る余剰懸念に対し、賃料には下押し圧力が加わり、空室率はほぼ横ばいで推移しながらも弱含んだ状況が続くと思われる。一方、テナント側においてはコロナ禍を契機としてオフィス戦略を見直す前向きな動きも増え、テナントの規模縮小、経費節減等を理由とする解約の懸念は縮小しつつある。本投資法人の運用資産における稼働率は、テナントニーズを捉えた適切な賃料設定や募集施策により高水準を維持するものと考えている。

レジデンス賃貸マーケット
アットホーム株式会社によれば、2023年11月の全国主要都市(首都圏1都3県、札幌市、仙台市、名古屋市、大阪市、福岡市の10エリア)のマンション平均募集家賃は、東京23区・東京都下・埼玉県・千葉県・仙台市・名古屋市・大阪市・福岡市が30㎡以下から70㎡超の全面積帯で前年同月を上回った。また、ファミリー向きマンションは11ヵ月連続して全10エリアで前年同月を上回り、東京23区・東京都下・神奈川県・千葉県・札幌市・仙台市・大阪市・福岡市の8エリアは2015年1月以降最高値を更新した。また、2023 年11月の「建築着工統計調査報告」によると新設住宅着工戸数(貸家)は、2023年8月以降、4か月連続で減少となった。今後も東京都の人口流入の増加や有効求人倍率の回復を背景に賃貸マンションの需給環境は良好な状況であり、その他の主要都市においても安定的な需要が継続していることから、高い稼働率を維持するものと考えている。

不動産市況
2023年9月に発表された2023年7月1日時点の都道府県地価調査における地価については、三大都市圏では全用途平均・商業地は、東京圏で11年連続、大阪圏では2年連続、名古屋圏では3年連続で上昇し、上昇率が拡大した。住宅地は東京圏・名古屋圏では3年連続、大阪圏では2年連続で上昇し、上昇率が拡大した。また、地方圏では、全用途平均・住宅地は31年ぶり、商業地は4年ぶりに上昇し、上昇率が拡大した。住宅地については、都心部や地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)での住宅需要が堅調であり、その周辺部にも需要が波及し地価が上昇している。商業地については、都市部を中心に、コロナ後の人流回復を受け店舗需要は回復傾向となり、オフィス需要も底堅く推移し、地価の回復傾向がより進んでいる。
本投資法人が投資対象と考えている地方における政令指定都市についても、住宅地、商業地ともに上昇率が拡大し、上昇傾向が継続している。

 

2. 外部成長

2023年6月6日付でオフィス2物件(Of-55北浜一丁目平和ビルの準共有持分の75%(信託受益権、取得価格:33.7億円)、 Of-56平和不動産北浜ビル(信託受益権、取得価格:16.5億円))及び2023年8月3日付でオフィス1物件(Of-57プライムタワー横浜(信託受益権、取得価格:38億円))を取得した。また、2023年8月31日付でレジデンス1物件(Re-41HF八丁堀レジデンスⅢ(信託受益権、取得価格:7.93億円))及び2023年11月30日付でレジデンス1物件(Re-46HF阿波座レジデンス(信託受益権、取得価格: 5.77億円))を売却した。

この結果、当期末時点での運用資産は、オフィス43物件(取得価格の合計:1,169億円)、レジデンス83物件(取得価格の合計:1,115億円)の合計126物件(取得価格の合計:2,284億円)となっている。

 

3. 内部成長

本投資法人は、従来から稼働率の維持向上に注力することにより、収益の向上に努めて参ったが、当期においても、空室期間の短縮化に努めたテナントリーシング活動及びテナントニーズや物件毎の特性を踏まえた計画的なバリューアップ投資に取組んだ。こうした取組みによって物件の競争力の維持向上に努めた成果もあり、全運用資産合計の稼働率は、当期末時点で97.7%となり、前期末時点の97.6%から期中を通じて高稼働で安定的に推移させることができ、期中月末平均稼働率は97.6%と高水準となった。また、環境・省エネルギーへの配慮及び地域社会への貢献等を中心としてESGへの取組みを推進している。

 

4. 資金調達の概要

本投資法人は、物件の取得資金等に充当することを目的として、2023年6月1日に公募増資(発行投資口数:34,500口、発行価額の総額:4,948,990千円)及び2023年6月27日に第三者割当増資(発行投資口数:1,700口、発行価額の総額:243,863千円)による資金調達を行い、また、その調達資金の一部を原資として 2023年6月8日付で借入金の期限前弁済を行った。借入金については、物件の取得資金等に充当することを目的として、2023年8月3日付でタームローン72-①(借入金額:10億円)、タームローン72- ②(借入金額:10億円)、タームローン72-③(借入金額:10億円)及びタームローン72-④(借入金額:10億円)の借入れを行った。また、2023年10月31日に元本返済期日を迎えたタームロー ン27 トランシェB(借入残高:44億円)及びタームローン48 トランシェA(借入残高:17.8億円)、タームローン71 トランシェA(借入残高:100億円)の期限前弁済の返済資金に充当するため、同日付でタームローン73 トランシェA(借入金額:13.3億円)、トランシェB(借入金額:7億円)、トランシェC(借入金額:27億円)及びトランシェD(借入金額:15.5億円)の借入れを行った。かかる借入れの概要は以下の通りであり、これらにより当期末時点の平均借入期間は7.3年、平均残存期間 は4.2年、平均借入金利は0.77%となった。 また、機動的かつ安定的な資金調達手段及び手元流動性の拡充による財務信用力を確保するため、株式会社三井住友銀行、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社みずほ銀行及び株式会社りそな銀行との間で極度額総額 70億円(契約期間は2023年6月1日から2024年5月31日)のコミットメントラインを設定している。

その結果、当期末時点での有利子負債額は、1,125億円(期末総資産有利子負債比率:46.72%)となった。

 

主要指標(決算説明資料より抜粋)

平和不動産リート投資法人  決算説明会拾い読み

 

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