2023年05月17日

決算情報拾い読み ジャパンリアルエステイト投資法人

2023年3月期(第43期)決算説明資料

今回取り上げるのは、2023年5月15日に開示されたジャパンリアルエステイト投資法人(以下JRE)の43期(2023年3月期)決算説明会資料です。
JREの資産運用会社は、三菱地所100%子会社であるジャパンリアルエステイトアセットマネジメント株式会社にて、2001年9月上場した最古参のオフィスビル運用に特化した投資法人です。

 

ポートフォリオ投資方針等

ポートフォリオ戦略

1.地域に関するポートフォリオ構成
  首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)70%以上、その他地方都市30%以下。
2.用途に関するポートフォリオ構成
  オフィスビルを対象とし、これに付随する住宅及び商業施設を含む。
3.財務上の指針
  LTV65%以下、目途値は30~40%を目安。有利子負債限度額は1兆円。

 

第43期のトピックス

1.投資環境

賃貸オフィス市場においては、立地改善移転、業容拡大による拡張移転等の賃借ニーズが増加傾向にあり、働き方の変化に伴うテレワークの浸透等を背景に上昇してきた空室率は、足元では、横ばいで推移しており落ち着きを見せつつある。賃料水準については、引き続き小幅な低下傾向にある。当投資法人においては、このような賃貸マーケット基調を背景にしつつも、ポートフォリオ全体の安定した収益及び入居率の維持・向上を目指し、戦略的なリーシング活動による新規テナントの誘致、及び物件の付加価値向上による既存テナントの更なる満足度向上に努めている。

不動産売買市場においては、日銀が金融政策の一部を変更したものの金融緩和が継続されていることや、海外市場との金利差、円安等により、国内外投資家の物件取得意欲は依然として旺盛であり、品薄状態にある優良なオフィスビルをめぐる競合状態は激しく、取得環境は引き続き厳しい状況にある。

 

2. 外部成長

当期においては、2022年12月1日に晴海フロント(東京都中央区)の信託受益権の準共有持分25%を97.77億円で譲渡した。なお、本物件は3回に分けて譲渡する予定であり、2023年4月3日付けにて準共有持分30%を117.3億円で譲渡しており、2024年1月12日付けにて準共有持分45%を175.99億円 で譲渡する予定。また、2023年2月27日に、the ARGYLE aoyama(東京都港区)の信託受益権の準共有持分50%を239億円で取得し、豊洲フォレシア(東京都江東区)の共有持分9%に係る信託受益権を81億円で取得した。さらに、2023年3月30日に、CIRCLES平河町(東京都千代田区)を17.8億円で取得し、既存保有物件の追加取得として、新宿イーストサイドスクエア(東京都新宿区)の共有持分4%に係る信託受益権を85億円で取得し、同物件における当投資法人の共有持分は35.0%から39.0%となった。

上記の結果、当期末(2023年3月31日)において、当投資法人が保有する運用資産はオフィスビル76物件、取得価格の総額11,257億円、テナント総数1,582となった。

 

3. 内部成長(決算説明資料より抜粋)

当期の賃貸オフィス市場は上記環境にあり、立地改善や執務環境改善のための移転、業容拡大による拡張移転等の前向きな需要を捉えることで、大口テナントの退去により生じた空室の埋め戻しを図ることができ、当投資法人の当期末の入居率は前期末比1.6%増の95.5%となった。

ジャパンリアルエステイト投資法人 決算説明会拾い読み

 

4. 資金調達の概要

当期においては、the ARGYLE aoyama及び豊洲フォレシアの取得資金の一部に充当するため短期借入金を290億円調達した。また、新宿イーストサイドスクエア(追加取得)及びCIRCLES平河町の取得に際し、短期借入金83億円及び長期借入金30億円の借入を実施した。また、短期借入金32億円を手元資金にて弁済したほか、既存借入金の返済資金に充当するための借入も実施した。

このような取り組みの結果、2023年3月31日現在の有利子負債残高は前期末比371億円増の4,604億円となり、内、長期借入金は3,652億円(1年内返済予定の長期借入金395億円を含む。)、短期借入金は523億円、投資法人債は429.93億円(1年内償還予定の投資法人債100億円を含む。)となった。総資産に占める有利子負債の比率は44.0%となっている。

 

主要指標(決算説明資料より抜粋)

ジャパンリアルエステイト投資法人 決算説明会拾い読み

 

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