2月18日~27日のニュース概観
(写真/iStock)
2月25日、サーバー法人台帳ROBINS(運営:一般財団法人日本情報経済社会推進協会)より、「大和ハウスグローバルリート投資法人」の新設が判明した。
投資法人名称、そして法人所在地が大和ハウス工業株式会社の東京本店住所と一致することから大和ハウスグループが設立に関わっていると推測されるが、2月27日時点で同グループから関連するリリースはない。
そのため、同投資法人が上場を目指すのか、それとも私募REITとして運用されることになるのかは不明である。
ただ、投資法人名称に「グローバル」の文字が入っていることから、同投資法人が海外不動産を主要な投資対象とする可能性を指摘することができる。
同投資法人のスポンサーと推測される大和ハウスグループは、2016年9月に大和ハウスリート投資法人と大和ハウス・レジデンシャル投資法人の合併を実施している。
当初1スポンサー・2REIT体制であったものを1スポンサー・1REIT体制に切り替えた後に、再度1スポンサー・2REIT体制とするからには、新設するREITは既存のものと大きく性質が異なると考えるのが自然であろう。
さらに大和ハウスリート投資法人の投資方針は用途に於いて総合型となっている。現時点ではポートフォリオに組入れていないオフィスも投資対象としている点から、新設する投資法人と投資用途が重複するとは考えられない。
また、現在のREIT業界(上場か私募かを問わず)では、海外不動産を保有している投資法人はあるものの、いずれもポートフォリオに占める割合は小さく、海外不動産を主要投資対象に据えている銘柄は存在しない。
大和ハウスリート投資法人が海外不動産を投資対象外としていることから、もし同投資法人が海外不動産を主要投資対象とするならば、大和ハウスグループにとっては取得・開発した海外不動産の売却先として大和ハウスリート投資法人とは一線を画した存在となるであろうし、REIT業界全体としても投資対象の多様化という観点から意義深い存在となるだろう。
気になるのは、同投資法人が海外不動産を主要投資対象とした場合、持続的な外部成長が可能かという点である。
そこで大和ハウスグループの2018年統合報告書(アニュアルレポート)を確認すると、第5次中期経営計画(2016年4月~2019年3月)で総額1,200億円の海外不動産開発投資を謳っており、2016年4月~2018年3月の累計実績額は844億円に達している。
同グループが成長の柱として海外事業を重視していることを考えると、次期計画においても今期と同程度かそれを上回る規模の投資目標が設定される可能性が高い。
従って、2,000億円程度までは、外部成長に必要な海外不動産ストックが大和ハウスグループ内に積み上がってくるものと考えられる。
以上、推測を多分に交えてしまったが、果たして同投資法人がJ-REITの海外不動産投資を本格化させるさきがけとなり得るのか、注目したい。
(Billions of yen)
1 | Shinjuku Mitsui Bldg. | 170 |
---|---|---|
2 | IIDABASHI GRAND BLOOM | 139 |
3 | Roppongi Hills Mori Tower | 115 |
4 | Shiodome Building | 107 |
5 | Tokyo Shiodome Building | 83 |
1 | Global One | +1.90% |
---|---|---|
2 | Kenedix REIT | +1.66% |
3 | Hulic Reit | +1.58% |
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