12月17日~26日のニュース概観
(写真/iStock)
12月25日、東証がエスコンジャパンリート投資法人の上場を承認した。
上場予定日は2019年2月13日で、J-REIT銘柄としては62銘柄目、そして2019年初の上場銘柄となる。
エスコンジャパンリート投資法人のスポンサーは不動産企業株式会社日本エスコンだが、同社を持分法適用関連会社としている中部電力株式会社も「サポート会社」という立ち位置でエスコンジャパンリート投資法人の物件取得を支援していくという。
有価証券届出書によると、同投資法人はポートフォリオの8割以上を首都圏、近畿圏、中京圏、福岡圏の商業施設(底地含む)への投資に振り向け、残り2割以下をその他各種不動産への投資に割り振るという。
これだけを見ると他の商業施設投資型J-REITとの差異が分かりにくいが、エスコンジャパンリート投資法人の特徴は底地が約50%を占めるようにポートフォリオを構築すると謳っている点にある。
底地とは、借地権を設定した土地の所有権を意味する言葉で、これを取得すると土地上に建物を建てて活用する権利は借地権を取得した相手に譲らねばならないが、借地権が存続する期間中はその相手から土地の賃貸料を受け取ることができる。
また、土地上の建物の管理は全て借地権を取得して当該建物を建設した相手の責任になるので、底地保有者は建物の管理コストを一切負担しなくとも良いという利点もある。
こうした建物の管理コストを背負わずに安定的に賃貸料を享受できるというメリットに着目して底地をポートフォリオに組み込んでいるJ-REIT銘柄も幾つかあるが、ポートフォリオの半分程度を底地にする方針を掲げたのは、エスコンジャパンリート投資法人が初めてである(私募REITでは地主プライベートリート投資法人が底地に特化した運用を行っている)。
上記のような運用方針上の特徴を有するエスコンジャパンリート投資法人だが、上場時資産規模(取得価格ベース)は416億円と小さい規模からのスタートとなる。
数ある不動産の中でも底地というややマイナーな資産を重視した運用でどこまで資産規模を成長させていけるか、上場後の運用が注目される。
26日、GLP投資法人のスポンサーである日本GLP株式会社(以下、日本GLP)が日本の物流施設開発を対象としたファンドを設立した。
ファンドの名称は「GLP ジャパン・ディベロップメント・パートナーズⅢ」といい、これまで日本GLPが組成、運用してきたGLP ジャパン・ディベロップメント・ベンチャーⅠ、Ⅱが投資枠上限に達したことから、それらの後継ファンドとして組成された。
運用資産規模は約56億ドル(6,250億円相当)で物流不動産ファンドとしては日本最大級のものとなるが、これまでの日本GLPの不動産ファンド事業同様にカナダの公的年金基金CPPIBが中核投資家として参画するという。
日本において物流施設のキャップレートもだいぶ下がってきたと言われるが、世界中で利回り確保の機会を窺う大規模年金基金にとってはまだ魅力的な投資分野と映っているようだ。
(Billions of yen)
1 | Shinjuku Mitsui Bldg. | 170 |
---|---|---|
2 | IIDABASHI GRAND BLOOM | 139 |
3 | Roppongi Hills Mori Tower | 115 |
4 | Shiodome Building | 107 |
5 | Tokyo Shiodome Building | 83 |
1 | Nippon Prologis | +1.86% |
---|---|---|
2 | Daiwa House REIT | +1.82% |
3 | CRE Logistics | +1.77% |
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