2018年01月29日

三菱地所レジデンス、有料老人ホームやシェアハウスの開発に参入

1月29週のニュース概観

(写真/iStock)

概況

2月1日、三菱地所レジデンス株式会社(以下、三菱地所レジ)が有料老人ホーム開発事業及びシェアハウス開発事業にそれぞれ初参入すると発表した。
三菱地所レジは三菱地所株式会社の100%子会社として主に分譲マンションの開発・販売を手掛けているが、人口減少等によるレジデンス市場の変化に対応するため、今回新たに有料老人ホーム開発やシェアハウス開発への参入を決定した。
有料老人ホーム開発事業については、三菱地所レジが物件を開発してオペレーター会社に賃貸する方式での事業展開を想定しており、発表と同じ2月1日付で第1号物件の開発に着工したという。気になる第1号物件の詳細だが、開発地は京王井の頭線「西永福」駅に近い東京都杉並区の敷地約1,100㎡で、そこに地下1階地上5階、居室数48室、延床面積約2,600㎡の施設を建設する(竣工予定は2019年2月)。また2号物件の開発も既に確定しており、港区港南5丁目にて2019年6月の竣工を目指して開発計画を進めていくという。
シェアハウス開発事業については、まずは保有不動産の有効活用を望む企業から三菱地所レジが物件を借り受けてシェアハウスにリノベーションし、オペレーター企業に当該物件の運営を委託する形で実施する。こちらも既に第1号物件と第2号物件の開発が進んでおり、2018年4月1日の入居開始を目指して東京都杉並区大宮2丁目で、そして2018年6月1日の入居開始を目指して東京都豊島区駒込1丁目でそれぞれリノベーション工事が進んでいる。

物件動向

1月29日週の物件動向だが、主なものとして以下の3件の発表があった。

a.埼玉県上尾市:「ロジスクエア上尾」計画
1月31日、物流不動産の開発・運営サービス等を手掛ける株式会社シーアールイー(以下、CRE)が埼玉県上尾市で大型物流施設の開発を開始した。
当該物流施設の開発地は、圏央道「桶川北本IC」から約7km、首都高「与野IC」から約8km、国道17号に接道する面積約13,000㎡の土地で、そこに地上3階建て、延床面積約20,000㎡の物流施設を開発する(着工は2018年5月、竣工は2019年4月をそれぞれ予定)。
CREは今回発表されたものも含めて現在6件の物流施設開発計画を有しているが、今年2月にCREロジスティクスファンド投資法人を上場させることで開発後の物件について出口戦略を立てやすくなることから、今後更に物流施設開発を活発化させてくるものとみられる。
b.兵庫県神戸市:「(仮称)垂水駅前中央東地区第一種市街地再開発事業」
2月1日、神戸市のJR「垂水」駅北側で進められている再開発事業「(仮称)垂水駅前中央東地区第一種市街地再開発事業」について、野村不動産株式会社(以下、野村不動産)が事業協力者として参画を発表した。
当該再開発事業は、従来土地利用が細分化されてきたことで整備や防火性の向上が遅れていたJR「垂水」駅北側の区域約7,000㎡の都市機能更新を狙ったものである。
野村不動産としては神戸市での初の再開発事業参入となるだけに、今後行政や地域住民といった多様な利害関係者をまとめ上げて当該再開発事業を成功に導けるか注目される。
c.静岡県御殿場市:「御殿場プレミアム・アウトレット第4期増設」計画
2月1日、小田急電鉄株式会社及び株式会社小田急リゾーツ(以下、それぞれ小田急電鉄、小田急リゾーツ)が御殿場プレミアム・アウトレット第4期増設エリア内に新設するホテル・日帰り温泉施設の名称をそれぞれ「HOTEL CLAD」、「木の花の湯」と決定した。
御殿場プレミアム・アウトレットは、かつて小田急電鉄が経営していた「小田急御殿場ファミリーランド」の跡地に築かれた大規模アウトレットモールで、三菱地所グループの三菱地所・サイモン株式会社が開発・運営を行っている。その第4期増設エリアに改めて小田急グループがホテルと日帰り温泉施設で参入するのが、今回の案件である。
施設の規模はそれぞれ、HOTEL CLADが地上8階、客室数180室、施設面積約9,500㎡、木の花の湯が地上3階、各種露天風呂やレストランを擁し、施設面積は3,000㎡というもの。両施設はともに2018年2月中旬の着工、そして2019年度冬の竣工を予定している。

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