2018年02月21日

これでわかる!不動産登記記録の見方・読み方

齊藤 明 (著)

  • 単行本: 235ページ
  • 出版社: 日本加除出版
  • 言語: 日本語
  • 発売日: 2016/6/1
  • おすすめ度
    star5

これでわかる!不動産登記記録の見方・読み方

依然として活況が続く不動産市況、買い手の主役がJ-REITから海外投資家に交代しつつも、何十億円、何百億円という大型取引が行われています。こうした主に法人による大規模な取引から個人の不動産取得に目を転じても、やはり何千万円、何億円と決して少なくない金額が飛び交うのが不動産取引です。

しかし、法人にしろ個人にしろ大金を投じるからには、対象となる不動産が取得後にトラブルの種にならないか見極めねばならないことに変わりはありません(住家にするのか賃料収入を狙うのかは兎も角、長く当該不動産と付き合おうとするならなおのこと)。
その見極めのために、必ず一度は目を通さねばならないのが、不動産の現状と履歴が刻まれている登記記録(登記簿)です。

では実際に不動産登記記録を目の当たりにした時、そこに記載されている情報をどのように読み解けばよいのでしょうか。
今回取り上げるのはそうした疑問に応える「これでわかる!不動産登記記録の見方・読み方」です。

書名で内容全てを物語っている本書ですが、もう少し説明を加えると、計6章で登記制度の歴史、記載されている情報の内容や読取り方、実際に登記簿を閲覧しようとした場合の手順を説明しています。

その中でも出色は第4章「注意すべき登記」でしょう。
不動産というのは非常に大きな金銭価値を持つ資産です。ですから、そこには花の蜜に吸い寄せられる昆虫の如く、様々なトラブルや良からぬ意図をもった人物が群がってくることも珍しくありません。
投資にしろ、マイホームという安住の地を手に入れるためにしろ、せっかく大金を投じた結果が詐欺や裁判に巻き込まれたり、違法な貸金業者や反社会的勢力に目をつけられたりではあまりに悲惨というもの。
では、不動産登記記録のどこに着目すれば、トラブルや悪人と関わり合いを持ってしまう「地雷」持ちの不動産を見破れるのか、その絶対に知っておきたい知識を学べるのが第4章なのです。

昨年には、不動産取引のプロである筈の大手開発業者が不動産取得に係る詐欺事件に巻き込まれて何十億円もの被害に遭う事件がありました。知識や経験があるプロですら場合によっては騙されて痛い目を見る世界、そこに知識武装が不十分な人間が勢いだけで飛び込むとどうなるか、贅言は要しません。

今後、投資にしろマイホームにしろ現物不動産の取得を考えられているのなら、ぜひ本書をとば口にして知識武装を固め、然る後に実際の取引に進むことをお勧め致します。

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