2017年08月21日

三菱地所、ワシントンでオフィス開発

8月14日週のニュース概観

(写真/PIXTA)

概況

8月17日、三菱地所株式会社が米国子会社を通じて米国ワシントンD.C.近郊での大規模オフィス開発に参画すると発表した。
発表によると、三菱地所が米国子会社ロックフェラーグループ・インターナショナルを通じて参画するのは、ワシントンD.C.中心部から地下鉄で約30分の位置にあるバージニア州タイソンズでのオフィス開発計画。開発されるオフィスの規模は地下4階地上20階建て、建物貸付有効面積約4.1万㎡というもの。建設工事は既に開始されており、2018年8月の竣工を予定している。
なお三菱地所は先週8月9日にはニュージャージー州やカリフォルニア州での物流施設開発を発表しており、今発表で2週連続の米国事業発表となっている。

物件動向

8月14日週の物件動向だが、主だったものとして以下の2件の発表があった。奇しくも「ウォーターフロント」や「国際金融センター」と80年代バブルを髣髴とさせる案件が重なった1週間であった。

a.東京都港区:「(仮称)芝浦一丁目計画」
8月15日、野村不動産株式会社とNREG東芝不動産株式会社、東日本旅客鉄道(以下、それぞれ野村不動産、NREG東芝不動産、JR東日本)が3社共同で進めている大規模再開発計画「(仮称)芝浦一丁目計画」の整備方針を発表した。
3社がまとめた整備方針によると、当該再開発の対象となるのはNREG東芝不動産が所有する浜松町ビルディング(何かと世間の注目を集める東芝の本社ビルでもある)やJR東日本が所有するかーとれいん乗降場跡地からなる約4.7haの土地。そこに高さ約235mの高層ビル2棟(合計した延床面積は約55万㎡)を建て、オフィスやホテル、住居等から成る複合施設として活用する。スケジュールとしては、2020年度から建設工事を開始し、2029年度に工事全ての完了を予定している。
野村不動産、NREG東芝不動産、JR東日本は今回の開発が国際ビジネス・観光拠点の形成に繋がるとしているが、特にJR東日本は当該再開発地に近接した竹芝エリアでも大型再開発計画「竹芝ウォーターフロント開発計画」を進めており、浜松町駅一帯の街並みや人の流れは今後大きく変貌を遂げていくとみられる。
b.東京都中央区:「(仮称)日本橋兜町7地区開発計画」
8月15日、平和不動産株式会社、山種不動産株式会社、ちばぎん証券株式会社の三社(以下、平和不動産、山種不動産、ちばぎん証券)が共同で進めている「(仮称)日本橋兜町7地区開発計画」について概要と都市計画手続きの開始を発表した。
発表された概要によると、三社は東京メトロ東西線「茅場町駅」に隣接した日本橋兜町7番(敷地面積約3,400㎡)に地下2階地上15階建て、延床面積3.8万㎡のビルと建設する。工期は2018年度から2020年度を想定しており、竣工後はオフィスや店舗入居を見込む他、それ以外に東京都が推進する「国際金融都市・東京」構想を踏まえ、証券・金融機能の導入、各企業のIR説明会での使用を念頭に大規模ホール等の整備を謳っている点が特徴である。
今回開発計画の概要が発表された土地を含む日本橋から兜町にかけての一帯は、東証を中心に従来から金融・証券業との繋がりが深い地域でもある。「国際金融都市・東京」実現を目指す官民双方の取組みにより、エリアの再開発・高機能化、ひいてはシンガポールや香港の後塵を拝していると指摘されがちな金融機能や関連企業の集積が今後どこまで進むか注目される。

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