今回は、積水ハウス投資顧問株式会社 井上 順一氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。
強みとしては、スポンサーである積水ハウスの総合力を基盤とした強力なサポートが挙げられます。
中でも積水ハウスの開発事業によるパイプラインを活用することで、継続的に資産規模を拡大することで、分配金を増配できている点は最大のスポンサーサポートと考えています。特に昨今の不動産価格が上昇を続けるマーケット環境下では、スポンサーパイプラインの有無はリートの外部成長に大きく影響していると考えています。
次に、保有物件において、積水ハウスによる賃料固定型マスターリースもスポンサーサポートといえ、当リートにおける安定性重視の運用面での強みであると考えています。
さらに良好なスポンサーの信用力を背景に、安定的な財務基盤の構築ができていることもスポンサーサポートの一環と考えています。
不動産マーケットにおいて賃料相場が低下する局面やテナントの解約が発生した場合でもリートが受け取る賃料は固定化されているため、ダウンサイドリスクに非常に強い構造となっています。当リートでは6物件のうち3物件で賃料固定型マスターリースを採用しています。面積ベースでみても賃料固定型マスターリースの割合は約3/4程度となっており、当リートの安定性の向上に寄与している状況です。
また、物件数が6物件とポートフォリオの分散の観点では懸念がある状況と認識していますが、ポートフォリオの分散が効いていないことでの最大のリスクと考えられるテナント集中リスクの解消にも賃料固定型マスターリースは一役買っています。
また、ダウンサイドリスクに強い点に加え、マスターリースの先のエンドテナントから積水ハウスが受け取る賃料が一定以上上がった場合には、その超過した分をマスターレッシーの積水ハウスと当リートとで分け合う収益連動型の仕組みもありますので、将来的なアップサイド局面にも対応できると考えています。
投資方針として掲げているのは、「戦略的立地」と「高品質」を柱としたプライム・プロパティへの重点投資とスポンサーパイプラインを活用した物件取得であり、これまですべての組入れ資産をいずれもクオリティが高い積水ハウスの開発物件としている点がポートフォリオをみたときの最大の特徴と言えます。
また、ポートフォリオの平均築年数が若く、J-REITの中でもトップクラスの築浅であるという点や、最近特に着目されている環境性能面においては、6物件中5物件でDBJグリーンビルディング認証の4スター以上が取得できており、極めて高い評価を得ている点もポートフォリオの特徴です。
「戦略的立地」は、経済圏、利便性などの主に立地の良さにフォーカスしたものであり、「高品質」は機能性、環境配慮といった主に建物の基本性能の高さにフォーカスしたものです。また、「戦略的立地」と「高品質」に共通したポイントとして、BCPやブランドという点にも着目しています。
現在保有している6物件はいずれも需要の厚みのある東京・大阪・名古屋の大規模経済圏にあり、テナント企業の事業活動の継続的な活動拠点として相応しい立地にあると考えています。
一方、いずれの物件も建物性能面においてテナント企業の生産性向上につながる快適性や機能性、先程お話しした高い環境性能を備えているなどプライム・プロパティに適合していると考えています。
(Billions of yen)
1 | Shinjuku Mitsui Bldg. | 170 |
---|---|---|
2 | IIDABASHI GRAND BLOOM | 139 |
3 | Roppongi Hills Mori Tower | 115 |
4 | Shiodome Building | 107 |
5 | Tokyo Shiodome Building | 83 |
1 | Global One | +1.90% |
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2 | Kenedix REIT | +1.66% |
3 | Hulic Reit | +1.58% |
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