2007年07月06日

FCレジデンシャル投資法人について/REITアナリスト 山崎成人


 <a href="../page/top8975.html">FCレジデンシャル投資法人</a>が、6月28日付と7月5日付で、同投資法人投資口の大量保有の現状報告を出しました。この問題に触れるのは、今回で3回目になります。
FCレジデンシャル投資法人の第3期(平成19年4月期)決算説明資料で、FCレジデンシャル投資法人の投資主構成を見ると、「個人投資家・その他」が全体の16.6%(投資口保有比)を占めていて、人数では2,677人になっている事に拠ります。
第2期末(平成18年10月期)と比べると、「個人投資家・その他」は保有口数比では約10%減少し、人数では約1,300人に減少していますが、それでもなお2,000人以上の個人投資家が残っています。
勿論、これらの個人投資家が事態を理解して上での保有であれば、何の問題もありませんが、投資リスクの認識が十分でないままの投資継続ではないかという杞憂もあります。
この問題については、今年の1月から関係者の間では認識されていて、日経新聞等も度々記事にしましたが、さしたる反響もなく、又、東証の方への問い合わせもない事もあって、市場関係者は気をもんでいます。
東証の指導もあって、この件に関しての投資法人側の発表は、投資家リスクの具体的な記述がありますので、この位明確に書かかれてあれば、投資初心者でも理解出来るはずです。

今回の発表で投資家への注意喚起について手を尽くしたという事になりますが、注意すべきはFCレジデンシャル投資法人の投資主だけではありません。
最近は、個人の投資信託購入が増えていますが、投資信託によってはJREITが組み込まれている場合があります。
投資信託のJREIT投資の多くは、東証REIT指数に基づいたインデックス投資という機械的投資ですので、この場合、保有口数は少なくてもFCレジデンシャル投資法人にも投資している可能性もあります。
仮に、投資信託がFCレジデンシャル投資法人の投資口を保有していると、今後配当金が40%減少したり、投資口価格が大きく下落するという恐れが生じます。
投資信託のファンド・マネジャーは、一応プロという触れ込みですので、このまま何もせずに、FCレジデンシャル投資法人の投資口を保有し続けて、万一損失を出せば、不作為による責任があります。
約款にどのように書かれているかは分かりませんが、これだけリスクが明確になっている銘柄に投資を続けるには、少なくとも納得出来る根拠と説明が必要です。

なお、FCレジデンシャル投資法人の第3期末の大口投資主には、日興シティ信託銀行(投信口)が名前を連ねていますので、日興シティ系の投資信託を購入している人は、証券会社に確認しておく必要がありますが、それ以前に日興系投資信託は購入者に説明するぐらいの努力は必要です。 インデックス投資だから仕方ないという態度で、このまま保有続けるのは問題だと思われますが、どうなっているのか気になります。

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